栄養学雑誌
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果実類・果菜類および種実類のペクチン含有量について
川端 晶子澤山 茂瓜生 恵子
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1974 年 32 巻 1 号 p. 9-18

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抄録

44種の果実類, 3種の果菜類および3種の種実類のべクチンを定量した結果, 新鮮物可食部に対するペクチン酸カルシウムとしての全ペクチン含有量は, 次のようであった。
1) かんきつ類
4%以上: 温州みかん果皮
3.00~3.99%: きんかんパルプ, ぶんたんパルプおよび果皮, ゆずパルプ。
2.00~2.99%: ぶしゅかん, ゆず果皮。
1.00~1.99%: きんかん果皮, 温州みかんパルプ。
0.99%以下: きんかん果汁, 温州みかん果汁, ぶんたん果汁, ゆず果汁。
2) その他の果実類
2.00~2.99%: ポポー, アボカード。
1.00~1.99%: かりん, いちじく, 赤すぐり。
0.50~0.99%: りんご (紅玉, スターキング, デリシャス, ふじ, インド, 国光), すぐり, バナナ (エクアドル産, フィリピン産, 台湾産), かき, いちご, キィウィ, マンゴー, パパイア, まるめろ。
0.49%以下: 和なし (二十世紀, 長十郎, 幸水), 洋なし, さくらんぼ, プラム, あんず, もも, うめ, クッキンダバナナ, りんご (むつ), びわ, レンブ, ぶどう (キャンベル, デラウェア, ネオ・マスカット, 巨峰), パイナップル。
3) 果菜類
0.50~0.99%: れいし。
0.49%以下: トマト, 西瓜。
4) 種実類
5%以上: くるみ, らっかせい。
1.00~1.99%: くり。
全ペクチン中の各抽出区分の比率について, かんきつ類の果汁では, きんかん以外, W-S区がもっとも高く, 果皮およびパルプでは, きんかん以外は, P-S区がもっとも高く, つづいてH-S区であった。
その他の果実類, 果菜類および種実類45種のうち, 28種はH-S区がもっとも高く, W-S区のもっとも高いものは9種, P-S区のもっとも高いものは8種であった。総体的に, 熱帯果実にW-S区の高いのが目立つ。

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