日本植物病理学会報
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コンニャクモザイクウイルスとサトイモモザイクウイルスの理化学的性状と血清学的性質
下山 淳花田 薫津田 新哉亀谷 満朗郡司 孝志
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1992 年 58 巻 5 号 p. 713-718

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抄録
コンニャクモザイクウイルス(KMV)とサトイモモザイクウイルス(DasMV)の理化学的性状および血清学的性質について比較した。核酸の分子量はグリオキザール変性下でのアガロースゲル電気泳動法によりKMVが3.21×106であったが,DasMVは3.42×106であった。外被タンパク質の分子量は12.5% SDS-PAGEにより,KMVは35.5Kであったが,DasMVは32.5Kと40.0Kの二つのタンパク質が検出された。リシルエンドペプチダーゼで処理したDasMVのそれぞれのタンパク質のペプチドを逆相高速液体クロマトグラフィーで比較したところ,両者はほぼ同じ組成のものであった。KMVはELISA法でダイズモザイクウイルス(SoyMV)およびカボチャモザイクウイルス-2(WMV-2)とは血清学的類縁関係が認められたが,DasMVを含む他の6種のpotyvirusとは,血清学的関係は認められなかった。同様に寒天ゲル内拡散法およびウエスタンブロッティング法によってもKMVとSoyMVおよびWMV-2の間に血清学的類縁関係が認められた。
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