抄録
脳梗塞患者の虚血性心疾患合併は多いといわれるが,脳梗塞後の運動障害患者には運動負荷試験を行えないことが多い.そこで,ジピリダモール負荷心電図を施行し,その特徴や陽性率等について検討した.脳梗塞リハビリテーション患者 60 人にジピリダモール負荷心電図を試行した.脳梗塞患者 60 人中 10 人(16.7%)が陽性であり,35.5%(95%の信頼区間7.3~26.1%)に虚血性心疾患が合併していると推定された.特にアテローム血栓性脳梗塞(4/12 人=33.3%)と高脂血症患者(6/17 人=35.3%)に多い傾向があった.ジピリダモール負荷心電図については運動障害患者でも施行可能であり,リハビリテーションにおけるリスク管理上のひとつの方法になると考えられる.