日本臨床外科学会雑誌
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症例
Preperitoneal approachによるtension free repair法を施行した再発鼠径ヘルニア9例
駒屋 憲一藤井 公人小林 一郎森浦 滋明
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2009 年 70 巻 1 号 p. 261-264

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抄録
再発鼠径ヘルニアに対する術式は現在施設により多岐にわたる.当科では再発例に対して2004年9月より2007年6月までにpreperitoneal approachによるtension free repair法を採用し,9例の症例を経験した.それらは全例男性,平均年齢70.1歳,再発6例,再々発3例を含み,内2例は両側例であった.再発形態は全例が恥骨に接する内鼠径ヘルニアであった.平均手術時間は162分,平均出血量は100mL,平均術後在院日数は8.8日であった.術後合併症として皮下血腫の形成を1例認めたが,保存的に治癒した.再々発は認めていない.
本法は再発症例に対しては前回手術による癒着が少ない層で手術操作が可能であること,解剖学的構造の把握が容易であること,内・外鼠径ヘルニアに対し,myopectineal orificeをin layにて補強することが可能であり,根治性において優れた有用な術式である.
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© 2009 日本臨床外科学会
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