抄録
症例は41歳男性.2007年 8 月, 糖尿病のスクリーニングCTにて左腎中部前面に径3cmの腫瘤性病変を指摘された.左腎癌, 臨床病期T1aN0M0の診断で11月19日に体腔鏡下左腎部分切除術を施行した.病理結果はrenal cell carcinoma, G2>G1, pT1aであった.第12病日に肉眼的血尿が出現し, 膀胱タンポナーデによる排尿困難と貧血のため再入院した.受診時CTにて左腎仮性動脈瘤が疑われ, 第14病日にコイルにて選択的左腎動脈塞栓術を施行した.その後も肉眼的血尿を繰り返し, 再度膀胱タンポナーデとなり, 第65病日に 2 回目のコイルにて選択的左腎動脈塞栓術を施行した.その後は経過良好である.