日本泌尿器科学会雑誌
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症例報告
転移性膀胱悪性黒色腫の1例
野原 隆弘酒井 晨秀布施 春樹今村 好章
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キーワード: 悪性黒色腫, 膀胱転移
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2009 年 100 巻 7 号 p. 707-711

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抄録
患者は62歳男性.2006年, 左側胸部悪性黒色腫にて腫瘤摘除術施行.2007年, 左腋窩リンパ節転移が出現し, 左腋窩リンパ節廓清後, DAV-feron療法を5クール施行した.2008年6月, 右頸部リンパ節転移が出現し, 同じ頃肉眼的血尿が出現したため当科紹介.膀胱鏡では非乳頭状腫瘍を2つ認め, CT・MRIでは左鼠径リンパ節・傍大動脈リンパ節転移を認めた.尿細胞診で悪性黒色腫細胞が認められ, 悪性黒色腫膀胱転移と診断した.多発リンパ節転移が存在し, 腫瘍切除は予後の改善に寄与しないと考えられたため, 腫瘍切除を行わなかった.現在, 当院皮膚科にて化学療法中である.悪性黒色腫膀胱転移は過去10例の報告しかなく稀である.尿細胞診のみで診断し得た症例は過去に見られなかった.
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© 2009 一般社団法人 日本泌尿器科学会
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