2010 年 66 巻 1 号 p. 13-30
首都高速道路における長大吊構造系橋梁である横浜ベイブリッジ,レインボーブリッジ,鶴見つばさ橋は,現在耐震補強工事が進められている.ここでは,3橋梁の内,長大斜張橋の横浜ベイブリッジを対象にダブルデッキ形式の主桁の下層に位置する鋼製トラス桁,および鋼製主塔を対象とした耐震性能の照査について示した.鋼製下路トラス桁と鋼製主塔は,その耐力や非線形特性に関する実証的な研究成果がないため,3次元シェル要素で当該構造をより実態に近い形でモデル化し,着目する損傷箇所に生じる地震応答が最大となる時刻における慣性力分布を地震力とするプッシュオーバー解析を行い,その耐震性能を照査した.