2013 年 69 巻 2 号 p. I_1252-I_1257
北海道風蓮湖において現地調査を実施し,大気-海水間CO2フラックスを推定した.そして,CO2フラックスとその変動要因(風速,水温,塩分,全アルカリ度(TA),溶存無機炭素濃度(DIC),生物過程による炭素増減量)との関係性(時系列変化,単相関・偏相関等)について検討した.また,変動要因の相対的な影響度を把握するために,多変量解析(パス解析)を行った.解析の結果,大気-海水間CO2フラックスに影響を及ぼす環境要因として,湖内の代表的な水質指標である塩分に起因するDICとTAが挙げられた.また,CO2フラックスは風速からの直接的な影響,DICを介した生物過程(呼吸・分解,光合成)からの間接的な影響も受けていることが示唆された.