2014 年 70 巻 2 号 p. I_1176-I_1181
北海道北東部に位置するコムケ湖において,春季および夏季を対象とした観測を実施し,詳細な流動場の把握のため湖内全体を対象とした数値解析を行い,水質及び流動特性について解析および検討を行った.現地観測の結果,オホーツク海と直結する第一湖の塩分は,季節に関係なく常に高い値を示した.干潟が存在する第二湖の塩分は,春季に雪解けにより淡水流入の影響が強くなるため低い値を示す.一方で,雪解けの影響が少ない夏季においては,塩水流入が強くなるため高い値を示すことが分かった.さらに,コムケ湖全体を対象とした数値解析を行い,湖内の塩水滞留域について検討を行った.その結果,夏季において第二湖の干潟域に塩水が長時間滞留する領域が存在することが分かった.