図学研究
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自然界に見る高次元立方体の投影
宮崎 興二
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2004 年 38 巻 Supplement1 号 p. 153-156

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抄録

3次元空間におけるもっとも基礎的な立体としての3次元立方体を2次元平面上にさまざまに投影すると、与えられた立方体の稜の投影としての線模様を内部に持ったさまざまな多角形が得られ、そうした多角形を組み合わることによって千変万化の平面パターンが導かれる。同様に、4次元空間におけるもっとも基礎的な立体としての4次元立方体を3次元空間内にさまざまに投影すると、与えられた4次元立方体の側面の投影としての面模様を内部に持ったさまざまな多面体が得られ、そうした多面体を組み合わせることによって千変万化の立体パターンが導かれる。その立体パターンをさらに2次元平面上へ投影すると、さらに千変万化の平面パターンが得られることになる。5次元以上の高次元空間における場合も同様に、より低い次元の空間への投影を繰り返すことによって3次元空間内での立体パターンや2次元平面上での平面パターンが得られる。本稿では、この立体パターンや平面パターンを、高次元空間における高次元立方体の平行投影ならびに中心投影によってさまざまに導き、それらがそのまま自然界にもしばしば現れることを具体的に示す。その結果として、高次元空間において拡張される図学の重要性を示唆してみたい。

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