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「動植物細胞におけるストレス応答機構」に関する共同研究
Vol. 1 (2000) 726
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生体等価環境での細胞形態観察システムの開発研究
津田 孝良1), 松田 尚樹2), 横山 兼久3), 児玉 靖司4)
1) 株式会社 テクノ·スズタ
2) 長崎大学アイソトープ総合センター
3) 科学技術振興事業団·長崎研究室
4) 長崎大学薬学部·放射線生命科学
Abstract:  細胞の構造および細胞内物質の局在を、生体と等価条件で生きたまま観察·解析することのできるシステムを構築し、血管内皮細胞を用いたモデル実験により本システムの有用性を確認した。本システムは、生体等価条件に近い雰培養条件を再現することのできるガス濃度および温度可変培養装置、および細胞構造や細胞内物質の局在を生体等価条件で三次元的に観察することを可能にした改造型共焦点レーザースキャン顕微鏡より構成される。本システムを用いてヒト動脈血管内皮細胞を培養すると、通常の培養条件である5% CO2-20% O2、37°Cの条件と比較して細胞内酸化状態が低下し顕著に増殖が促進され、血管内皮細胞に特異的な機能の一つである低密度リポタンパク(LDL)の細胞内取り込みが増加した。細胞構造の三次元構築を行なったところ、LDLは細胞内に取り込まれた後、核を取り囲むように局在していた。以上より、生体等価環境では細胞が顕著な機能変化を示すことが明らかとなった。

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