ウイルス
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総説
植物ウイルスベクターを用いた遺伝子機能解析ツールとしてのウイルス誘導ジーンサイレンシング
山岸 紀子吉川 信幸
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2010 年 60 巻 2 号 p. 155-162

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抄録

 植物ウイルスベクターを利用したウイルス誘導ジーンサイレンシング(VIGS)は,ウイルス感染によって誘導されるRNAサイレンシング機構を利用した植物の逆遺伝学的解析ツールである.標的遺伝子配列の一部をVIGS用ウイルスベクターに連結し,植物に感染させることで簡便かつ迅速に標的遺伝子の発現をノックダウンすることができる.ベンサミアーナタバコなどの実験植物で主に利用されてきたが,最近では主要農作物を含む各種植物種の遺伝子機能解析に利用できるVIGS用ウイルスベクターが報告されている.本稿ではVIGSウイルスベクターの種類とその利用について解説する.

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© 2010 日本ウイルス学会
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