抄録
スピネル型リチウムマンガン複合酸化物微粒子(LiMn2O4)が,硝酸リチウムと酢酸マンガンの水溶液から超音波噴霧熱分解法により合成された.粒子形態,組成および結晶サイズに対する原料溶液の初期濃度やガス流量などの合成因子の影響について検討された.また,独立に温度制御できる6段の加熱ゾーンからなる管状電気炉を用いて,合成された粒子の形態に対するエアロゾルフロー反応器内の軸方向温度分布の影響についても検討された.スピネル型LiMn204微粒子は均一の温度分布(1,073K)を設定した場合,および増加型の温度分布(473K-73K一673K-873K-1,O73K-1,073K)を設定した何れの場合についても合成された.均一温度分布(1,O73K)の条件で合成された粒子は中空状で数十ナノメータ-サイズの結晶で構成されていた.一方,増加型の温度分布(473K-73K-673K-873K-1,073K-1,073K)の条件では,中空状ではなく収縮した粒子が合成された.