抄録
乳化液膜（W/0/Wエマルション）系を用いる微粒子材料の調製に関する研究を行った．乳化液膜系において，反応資材である外水相中の金属イオンは，抽出剤（カチオンキャリア）を含む液膜相に抽出され，さらに内水相に逆抽出されてサブミクロン-ミクロンサイズのしゅう酸塩，炭酸塩やリン酸塩微粒子を形成した．ケーススタディとして，希土類金属の球形しゅう酸塩微粒子，中空構造をもつ球形炭酸カルシウム微粒子ならびにリン酸カルシウム微粒子の調製，さらに複合微粒子としてSr-Pb複合しゅう酸塩微粒子，針状CoフェライトとNiフェライト微粒子ならびに球形希土類酸化物蛍光体微粒子の調製を行い，これらの研究を通して，特殊なミクロ反応場としての内水相の性質と機能を明らかにした．
