化学工学論文集
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混合を利用する冷熱発生型ケミカルヒートパイプの検討
藤澤 亮渡辺 藤雄松田 仁樹架谷 昌信
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1998 年 24 巻 6 号 p. 862-867

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抄録

固・液系, 液・液系の2化学物質を混合する際の冷熱発生を利用するケミカルヒートパイプを提案し, 本システムの中心的課題となる熱力学データに基づく2化学物質の最適組み合わせの検討およびその冷熱出力の実験的検討を行った.固・液では尿素/水系および硝酸アンモニウム/水系, 液・液ではイソブタノール/アセトニトリル系, 1ブタノール/アセトニトリル系が大きな冷熱発生量を有する.また, これらの混合によって, 初期温度にかかわらず, 速やかな温度降下を認め, 固・液系で8.16kW・kg-1, 液・液系で0.841kW・kg-1程度の冷熱出力を得た.一部, サイクル運転を想定した固・液系の乾燥および液・液系の蒸留による再生について検討し, いずれも353K程度の熱源による蓄熱が可能であることを認め, 提案のシステムが低温排熱利用型の冷熱蓄熱・輸送技術として機能することを明らかにした.

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