杏林医学会雑誌
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原著
家兎骨延長モデルにおけるPTH間歇投与の仮骨への影響
丸野 秀人
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2011 年 42 巻 1 号 p. 29-38

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抄録

家兎仮骨延長モデルにおける副甲状腺ホルモン(PTH)間歇投与の仮骨への影響を検討した。日本白色家兎(2.2~2.6kg)の仮骨延長モデルを作成し,仮骨延長(総延長距離10.5mm)を2週間行った。延長開始と同時にPTHを10μg/kg(P10群),30μg/kg(P30群)を各5羽に4週間隔日皮下注投与した。なお生食の5羽を対照(N群)とした。術後8週で下腿骨を採取し単純X線像,骨密度,pQCT,micro CT測定と力学的試験を行った。単純X線像でP30群は他の2群に比しリモデリングが促進し,pQCTでは仮骨部全骨断面積が有意に増大していた。またmicro CTの骨微細構造では,骨梁数はP30群が最大で,力学試験ではP30群の吸収エネルギーが他の2群よりも有意に大きかった。以上よりPTHの間歇投与は家兎の仮骨延長モデルにおいて仮骨形成を促進することが明らかになった。

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