杏林医学会雑誌
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特集「最新の循環器診療」Part1
どこまで進むか心エコー検査
坂田 好美
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2014 年 45 巻 4 号 p. 175-182

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抄録

 心エコー検査は,弁膜症,心筋症,先天性心疾患,虚血性心疾患を含めた多くの心疾患の診断,心機能評価,心血管内血流評価をベッドサイドで非侵襲的にいきなえる有用な検査である。現在,一般診療では,断層心エコー(two-dimensional echocardiography)とパルス・ドプラおよび連続波ドプ法により心血管疾患の診断,心機能評価,心疾患の重症度評価,治療法の決定を行っている。また,経食道心エコーにより,血栓の有無,卵円孔開存,弁膜や先天性心疾患の構造異常のより詳細な評価が行われている。負荷心エコーは虚血性心疾患の診断や心筋viabilityの評価のみでなく,弁膜症の手術時期の決定や肺高血圧の早期診断,肥大型心筋症の左室内狭窄の精査などに有用とされている。近年,より詳細な心血管構造の評価を行う三次元心エコー(three-dimensional echocardiography),全般的および局所的心機能評価を定量的に行えるスペックル・トラッキング法が開発され,一般診療に用いられるようになっている。

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© 2014 杏林医学会
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