杏林医学会雑誌
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特集「杏林大学と地域医療」Part2
ICTを用いた地域包括ケアの現状と未来
吉野 秀朗
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2015 年 46 巻 1 号 p. 77-82

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抄録

 2002年1月内閣府に高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)が設置され,2013年6月14日閣議において,「世界最先端IT国家創造宣言」が決定された。世界に類を見ない少子高齢化社会を迎える我が国において適切な地域医療・介護等の提供,健康増進等を通じた健康長寿社会の実現を目標とし,情報通信技術(ICT: Information and Communication Technology)による情報共有の実現により,医療受給者や要介護者の状況をよりよく把握し質の高い医療と介護が実現されるよう,二次医療圏内および二次医療圏を超えた地域包括ケアシステムの構築は,今や急務である。一人ひとりの医療・介護および福祉に関する情報を統合的に包括的に扱い,サービスを提供できるシステム(地域包括ケア)づくりが重要である。
 三鷹市は,全国でも有数なICT街づくり事業実施地域であり,杏林大学が,理念と目標に掲げている地域医療への貢献を,ICTを用いた地域包括ケアとして実行するには最適な地域である。三鷹市とその周辺地域を含んだ二次医療圏と二次医療圏を超えた広域医療圏にまたがる地域包括ケアの実現に向けて,今,杏林大学がその全精力を傾けるチャンスが到来している。

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