杏林医学会雑誌
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特集「最新の循環器診療」Part2
冠動脈バイパス術
――変遷と展望――
遠藤 英仁
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2015 年 46 巻 1 号 p. 87-94

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抄録

 冠動脈バイパス術(CABG)は,冠動脈の血行再建を行う外科的治療法であり,その安全な手術手技と長期の安定した成績から虚血性心疾患に対する標準術式として広く認識されている。現在,CABGは人工心肺を使用するon-pump arrest CABG(心停止)とon-pump beating CABG(心拍動),そして人工心肺を用いないoff-pump CABGのいずれかで行われており,また,CABGのグラフトとして静脈グラフト(大伏在静脈)と動脈グラフト(内胸動脈,右大網動脈,橈骨動脈)が主に用いられている。本稿では,CABGが標準術式として確立されるまでの変遷と各術式の特色,さらに,各グラフトの特徴と長期成績比較からの選択について概説し,CABGの変遷と現状から今後の展望について述べる。

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© 2015 杏林医学会
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