杏林医学会雑誌
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特集『災害医療』
食糧備蓄の基本的考え方
塚田 芳枝
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2015 年 46 巻 4 号 p. 291-294

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抄録

 いかなる状況にあろうとも,人は食事すなわち栄養や水を補給し続けなければ,生きていくことはできない。災害医療の場面においてもそれは不動の理である。
 平時においては,食事提供は治療の一環と考えられており,『疾病の治癒・改善』を目的として行われる。しかし,災害時,その目的は一変する可能性を否定できない。『生命の維持・活動量の維持』に目的を置きかえ,食事提供を行う状況を平時より想定しておく必要がある。
 阪神淡路大震災や東日本大震災など災害の経験を通し,昨今では,備蓄食糧に対する考え方も現実味ある切迫した課題ととらえられるようになってきた。ここでは,食糧備蓄に対する基本的な考え方を整理したい。

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