2020 年 51 巻 2 号 p. 93-101
放射線治療中にcone beam computed tomography (CBCT)を撮影すると,投影の収集角度が不等間隔になることと収集領域が限定されることの2つの収集制限により再構成画像の画質が低下する。そこで,逐次近似再構成法であるordered subset expectation maximization(OSEM)法およびOSEM-total variation(OSEM-TV)法をもとに独自の補正法を加えて画像再構成を行い,画質の向上を図った。逐次近似再構成法を用いることでアーチファクトが大きく軽減され,視覚的にも定量的にも補正付OSEM-TV法で従来の方法よりも良好な結果を示した。補正付きOSEM-TV法は,治療中CBCTにおける収集制限下の画像再構成法として有用であることが示唆された。