日本化学会誌(化学と工業化学)
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Print ISSN : 0369-4577
界面活性剤(D)相乳化法による微細な乳化滴をもつO/Wエマルションの作製
鷺谷 広道服部 孝雄鍋田 一男永井 昌義
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1983 年 1983 巻 10 号 p. 1399-1404

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抄録

微細で均一な乳化粒子をもつO/Wエマルションの新しい乳化法を開発した。この方法は二つのステップからなり立っており,第一ステヅプは水と二価アルコールを含んだ界面活性剤(D)相に油をかきまぜながら添加してO/D型のゲル状エマルションを形成させるまでであり,第ニステップはこのゲルエマルションに水相を添加し,連続相を界面活性剤から水へと変化させてO/Wエマルションとする過程である。O/Dゲルエマルションを形成するための条件を水一流動パラフィン-1,3-ブタンジオール-界面活性剤系の相平衡図および界面活性剤相と油相間の界面張力の測定から検討した。その結果,D相である水-二価アルコール-界面活性剤の組成比がO/Dゲルエマルション形成に重要であること,二価アルコールの役割はD相が液晶化するのを妨げることであることが示された。D相乳化法の特徴として微細乳化滴をもつO/Wエマルションを与える乳化剤のHLB数の幅を広げることができた。

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