日本歯周病学会会誌
Online ISSN : 1880-408X
Print ISSN : 0385-0110
ISSN-L : 0385-0110
スクラッビング法における種々の歯ブラシの歯垢除去効果とブラッシング圧に関する研究 (第3報)
豚毛歯ブラシとナイロン毛歯ブラシについて
鈴木 丈一郎渡辺 孝章渡辺 一郎東海林 良彦福島 将人新井 高中村 治郎
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 29 巻 3 号 p. 909-918

詳細
抄録

スクラッビング法による歯ブラシについて, 第3報として毛の材質の違いがブラッシング圧とプラーク除去効果に与える影響について検討した。
今回は, 第1報, 第2報の結果を考慮して, 毛の先端形態をストレートカット, 毛の長さ10mm, 毛束配列3列26毛束に統一し, 毛の材質を豚毛, ナイロン毛の2種類とし, 豚毛歯ブラシの直径は, ナイロン毛歯ブラシの直径に可及的に対応させそれぞれ0.17mm, 0.20mm, 0.25mmの3種類, ナイロン毛歯ブラシの直径は, それぞれ0.18mm, 0.20mm, 0.25mmの3種類, 合計6種類の歯ブラシを試作した。被験者12名にスクラッビング法によるブラッシングを行わせ, 前後のプラークのスコアーを測定し, プラーク除去率を算出した。ブラッシング圧は渡辺のブラッシング圧測定装置を用い計測した。
その結果, 歯垢除去効果に関しては, それぞれの毛の直径で対応する豚毛とナイロン毛歯ブラシを比較してみると, いずれもナイロン毛歯ブラシの方が豚毛歯ブラシの除去率を上回っていた。直径 0.17mm豚毛歯ブラシと0.18 mmナイロン毛歯ブラシとの間では有意差 (p<0.05) が認められた。ブラッシング圧に関しては, 豚毛歯ブラシの方がナイロン毛歯ブラシより高い傾向を示した。直径0.17mm豚毛歯ブラシと0.18mmナイロン毛歯ブラシとの問, 直径0.20mmの豚毛歯ブラシとナイロン毛歯ブラシとの間で有意差 (p<0.05) が認められた。

著者関連情報
© 特定非営利活動法人日本歯周病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top