ケモインフォマティクス討論会予稿集

特別講演

高分子溶液の乾燥と成膜のダイナミクス

土井正男

p. S
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.S.0

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The dynamics of the drying process of a polymer solution droplet placed on a substrate is important in various modern technology, especially the ink-jet printing process. The process involves various challenging problems such as the transport of solvent and solute induced by solvent evaporation, the gelation and the contact line dynamics etc. We have been studying the phenomena the both experimentally and theoretically. In this talk, I will give an overview of our research.

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依頼講演

コロイドナノ粒子系の構造形成とレオロジーのメソスケール・シミュレーション

藤田昌大

p. R
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.R.0

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平行平板間の単純せん断流れ場におけるコロイドナノ粒子系のメソスケール・シミュレーションをおこない，粒子系の構造形成とコロイドのレオロジーについて検討をおこなった．粒子運動の支配方程式はoff-latticeニュートン運動方程式，流体運動の支配方程式はon-lattice fluctuating Navier-Stokes方程式である．シミュレーション結果から，濃厚コロイドナノ粒子系は高せん断場において凝集構造を形成し，流れの速度分布を変えることによってコロイドの見かけ粘度を増加させることがわかった．

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口頭発表

QM/MC/FEP法を用いた化学反応へ及ぼす溶媒効果の理論的研究

堀憲次, 上江洲啓太, 隅本倫徳, 山口徹

p. O1
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.O1.0

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我々は、化学反応へ及ぼす溶媒の効果を検討するためにQM/MC/FEP法の開発を行い、Diels-Alder反応において良好な結果を得た。また、Cope脱離反応、Kemp脱炭酸反応に適用したところ、実験結果と非常によく一致する結果が得られた。本発表ではその結果を示すとともに、我々の進めているin silico合成経路開発との関係を述べる。

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バイオ・イメージング用蛍光プローブ分子の設計に関する理論的研究

杉本学, 二宮寿一, 伊藤康宏

p. O2
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.O2.0

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バイオ・イメージング用蛍光プローブ分子としての応用が期待されるフルオロセイン誘導体の電子励起状態の性質と電子スペクトルについて、密度汎関数法を用いて検討した。実験的にはフルオロセイン誘導体のベンゼン部位に適当な置換基を導入することによって蛍光の有無を制御できることが示されている。またキサンテン部位に結合された水酸基部分のプロトン化／脱プロトン化によっても蛍光の有無を制御できる。本研究では、光学禁制である電荷移動型励起状態とπ-π*励起状態のエネルギー的な相対位置がベンゼン部位の置換基によって変化し、蛍光の有無と明確な対応があることを理論的に示した。また、蛍光の有無は分子の溶媒和にも大きく依存することを予測した。

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結晶計算法による結晶多形解析の実践

小畑繁昭, 高田康仁, 後藤仁志

p. O3
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.O3.0

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新規医薬品の開発において，結晶多形現象の解析は，期待する結晶の物性を得るために非常に重要である．最近，我々は，分子力場法に基づく結晶計算による結晶多形解析法を開発した．本研究では，この手法をアセチルサリチル酸（アスピリン）に適用し，その結晶多形，特に配座多形の解析を行った．結果，カルボキシル基がs-transである配座多形がChain型の水素結合ネットワークを形成し，最も安定な分子間相互作用エネルギーを示すことがわかった．

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化学の森林学習法

貝原巳樹雄

p. O4
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.O4.0

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化学の複雑さ、多彩さは、だから面白いとも言えるかもしれないが、学ぶ側の学生にとっては負担の大きな科目ともなっている。そこで、複雑多彩な化学をコンパクトに学習する方法について検討し、各種発想方法の長所を持ち寄って、樹木の形状を持つツリーマップを提案した。化学についてツリーマップを授業に用いたところ、繋がりで覚えられる、もっと早くから利用すれば良かったなどの、肯定的な意見を得ることができた。

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新規分子力場の開発と配座エネルギーの評価

中山尚史, 後藤仁志

p. O5
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.O5.0

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MMFF94s力場の静電相互作用部分に、新規電荷平衡法を取り入れることで、誘起分極の効果を取り入れた新規分子力場を構築した。いくつかのパラメータを最適化した後、配座エネルギーの算出を行ったところ、高精度の電子状態計算で得られた配座エネルギーと良い一致を示した。

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水溶解度予測ＱＳＰＲモデルの適用範囲を定めるための分類モデルに基づくアプローチ

右田啓哉, 荒川正幹, 船津公人

p. O6
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.O6.0

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近年、未知の化学構造に対するQSPRモデルの予測信頼性を知るために、ADという概念が注目されている。本研究では有機化合物のQSPRモデルのADをロバストに定義でき、かつ汎用的になりうる手法として分子構造記述子のレンジや１クラスSVMモデルを検討した。２種の水溶解度データについて線形・非線形回帰手法などを適用して得た計６個のQSPRモデルについて検討した結果、1クラスSVMを用いた場合に安定したADが得られることを確認した。

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ケモインフォマティクスを用いた代謝生成物予測手法の開発

光山倫央, 荒川正幹, 船津公人

p. O7
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.O7.0

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医薬品開発において、代謝生成物を低コストで予測することは極めて重要な課題の一つである。そこで本研究では、ケモインフォマティクス手法を用いた代謝生成物予測手法を開発した。まず、主要な薬物代謝酵素群シトクロムP450の基質となるかどうかを識別するモデルをsupport vector machineによって構築した。次に、基質の代謝部位を予測するモデルをrandom forest、adaboost、rough set theoryなどを用いて構築した。この２種類のモデルを統合することで、新規医薬候補品の代謝生成物を予測することが可能となると考えられる。

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進化論的アルゴリズムを利用したQSAR逆設計

木村敏郎, 長谷川清, 船津公人

p. O8
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.O8.0

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定量的構造―活性相関(Quantitative Structure-Activity Relationship: QSAR) は、古くから行われており、数多くの成功例が報告されている。しかし、研究対象とする系あるいは分子群によっては、予測精度の高いモデルが構築できてもその解釈が難しいこともある。本研究では、分子構造をコンピュータで自動発生させて、予測される活性値が高い構造だけを自動発生するQSAR逆設計のシステム設計・運用を試みたので、報告する。分子構造発生には、Tripos社のde novoソフトウェアEA-Inventor を利用し、あらかじめ作成しておいたQSAR/CoMFAモデル式と組み合わせて分子構造の自動生成を行うシステムとして利用した。CoMFAモデルでの計算に必要な重ねあわせ座標の計算も自動化し、QSAR/CoMFAモデル式で計算される活性予測値をスコアとして利用することとした。

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既知複合体立体構造の知識に基づいたタンパク質-リガンド結合様式予測手法の開発

笠原浩太, 高木利久

p. O9
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.O9.0

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近年解析技術の発達とともにタンパク質の立体構造データベースが急速に発展しつつある。立体構造データには創薬に有用な知見が多く含まれていると考えられるが、原子座標の集まりである構造データから知見を効率的に抽出、活用する為の手段に乏しい現状にある。そこで我々は豊富に蓄積された立体構造情報を包括的に活用するタンパク質-リガンド結合様式予測手法の開発を行った。本手法では既知立体構造データからアミノ酸残基-リガンド断片間相互作用情報を抽出し、それを元に構造探索やエネルギー計算を行わずに任意のタンパク質-リガンド複合体立体構造を予測する。本手法は決して精度は高くないが極めて高速であり、通常のドッキング計算に先立って高速に候補構造を絞り込む為のフィルタとしての利用が期待できる。114複合体について行った検証計算では8割程度の確度で候補構造を100個まで絞り込むことに成功した。

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二酸化炭素吸収のための新規アルカノールアミン系化合物の設計

荒川正幹, 山城直也, 船津公人

p. O10
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.O10.0

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二酸化炭素は地球温暖化の主要な原因であると考えられており、その大気中濃度の上昇を抑えるための様々な対策が検討されている。なかでも二酸化炭素の地中貯留は即効性の高い有望な技術として、世界的に多くの研究開発が行われている。二酸化炭素地中貯留技術は、二酸化炭素を圧縮、輸送し地中に圧入する技術であり、すでに実用段階に入っているものの、分離回収のコストの大きさが課題として残っている。そこで本研究では、分離回収コストの低減を目指し、二酸化炭素吸収のための新規アルカノールアミン系化合物の設計を行った。

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独立成分分析とサポートベクターマシンを応用した統計的プロセス管理手法の開発

金子弘昌, 荒川正幹, 船津公人

p. O11
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.O11.0

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化学プラントにおいては、測定困難なプロセス変数を推定する手法として、ソフトセンサーが広く用いられている。時間経過によりモデルの予測精度が劣化することを防ぐため、モデルを逐次更新する試みがなされているが、モデルを更新するデータに異常値が混入すると、モデルの予測性が低下するという問題がある。そこでこの問題の解決を目的として、ICAとSVMを組み合わせた新たな異常値検出手法の開発を行い、ソフトセンサーへ応用した。

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分子内部の分岐度を考慮したアルカン異性体の数え上げ

藤田眞作

p. O12
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.O12.0

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アルカンを重心型・双重心型に分類したうえで，分子内部の分岐度を考慮して数え上げた．分岐指標としてq（第4級）， t（第3級），s（第2級），p（第一級）を考えて，その指数により，それぞれの分岐度をもつ炭素数をあらわす．このようにして定義した分岐単項式の係数としてアルカンの個数を求めた．まず，アルキル基の個数を再帰的に求めたのち，導出した関数方程式により，アルカンの個数をもとめるための母関数をもとめた．

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ポスター発表

多配座空間の3次元表現法の探求

菅付俊佑, 後藤仁志, 大田一男

p. P1
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P1.0

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配座探索プログラムCONFLEXではフレキシブルな分子の配座空間を探索し、化学的に重要な配座異性体の最適構造を求めることができる。しかし、分子が巨大になると配座異性体の数も増加し、解析することが困難になる。そこで、本研究では多数の配座異性体に対する配座解析を支援するため､配座空間の3次元表現法について検討した。

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セルオートマトン・シミュレーションにおける局所相互作用とゆらぎの効果

松尾昭昌, 杉本学

p. P2
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P2.0

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イジングモデルのようなセルオートマトンに基づくシミュレーションは、数多くの構成要素からなる複雑系のモデルとなる。系に存在する相互作用と実現される状態の相関を理解することは化学、生物学などで重要な課題であり、セルオートマトンのようなモデル系におけるシミュレーション解析はこの課題に関する基礎的な知見を与えるものと思われる。一方、通常のモンテカルロシミュレーションや分子動力学シミュレーションでは、系のすべての相互作用が考慮される。しかしながら、現実的な系（開放系）では相互作用が全系に影響を及ぼすとは考えにくい。本研究では、コンウェイによって提唱された”ライフゲーム”のアルゴリズムを局所相互作用に基づく空間パターン形成アルゴリズムであるとみなし、相互作用の伝搬範囲と平衡状態に至るまでの系の時間発展におけるゆらぎの効果を考慮したセルオートマトン・シミュレーションを行った。発表では相互作用およびゆらぎによって実現される状態がどのように変動するかを解析した結果について報告する。

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量子化学計算に特化したグリッド計算システムの開発

山口徹, 隅本倫徳, 堀憲次

p. P3
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P3.0

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並列計算機やクラスタ計算機が混在する環境下で、それらを遊ばせることなく効率的に使用することは、計算資源の有効活用の面から非常に重要である。特に複数ユーザが利用する環境下では、計算の規模や優先度を自動的に判定し、適切な計算機上で実行するスケジューリングシステムが不可欠である。今回はGaussianを始めとする量子化学計算ソフトウェアに特化したグリッド計算システム『Gauss Grid』の開発を行なったので報告する。

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脳血流SPECT画像の多変量解析による診断支援

渡辺俊輔, 原田雅史, 高橋由武, 山下典之, 伊藤世士洋, 岡本晃典, 高木達也

p. P4
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P4.0

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現在、脳疾患の診断はSPECT、PETといった核医学検査による画像診断が主流である。それに伴い、客観的な画像評価を行うSPM等の画像統計解析手法が開発されている。しかし、それらの手法は血流異常部位を明らかにするが、診断に関し予測的な情報を与えるものではない。そこで、今回我々はSPECT脳血流量データに多変量解析手法を適用し、安定した診断、かつ、識別困難な疾患の判定に有効な情報の抽出が可能か試みた。

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分子内共鳴支援水素結合における共役効果と芳香族性(2) 鎖長依存性

今城文雄

p. P5
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P5.0

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カルボニル酸素と共役結合で繋がれたビニルアルコール水素が水素結合を構成する系は共鳴支援水素結合系と呼ばれている。縮環シクロヘキセン-1,2-ジオンのエノールのように水素結合が分子内で形成される場合、共役系の長さにより芳香族あるいは反芳香族的性質が水素結合の安定性や水素移動の障壁に影響することをDFT計算を基にして報告した。今回、より長いポリアセン共役系ではその効果がどう変化するのかをHOMAなどの芳香族性パラメータやAIMのρ値を含めて調べた

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エコーウイルス外殻蛋白質のMDシミュレーション：多重配座RESPによる電荷決定

山田希, 原ゆき菜, 神谷健秀, 米田茂隆

p. P6
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P6.0

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エコーウイルス外殻蛋白質はポケット因子と呼ばれる低分子を結合している。回転隊対称性境界条件によるMDシミュレーションは、外殻蛋白質全体構造の安定性とポケット因子の関連を調べるための有力な方法である。その準備として、多重配座RESPによるポケット因子とミリストイル化合物の精密な電荷決定、および、ヒスチジンのプロトネーションの決定などを報告するとともに、短いMDシミュレーションから得られたポケット因子の運動を解析する。

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コクサッキーウイルス外殻蛋白質のMDシミュレーション：インテグリン結合部位の運動

原ゆき菜, 山田希, 神谷健秀, 米田茂隆

p. P7
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P7.0

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コクサッキーウイルス外殻蛋白質は、インテグリン結合部位(RGDトリペプチド)を持つと同時に、２つのポケット因子と結合する巨大なポケットを持つという点で他のピコルナウイルスに比べ、極めて特徴的な存在である。回転対称性境界条件によるMDシミュレーションから得られたインテグリン結合部位の運動と構造を報告する。

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学内共同研究を指向した化合物データベースの開発

西端芳彦

p. P8
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P8.0

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化学構造データベース技術に基づく化合物データベースは、企業では研究情報の基幹となっているが、大学においては、研究情報は主として研究室単位で管理されており、大規模な化合物データベースの構築事例が少ない。学部内共同研究の推進のために開発した学部内化合物データベースについて、開発経緯、現在の利用状況と将来の展望を報告する。

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E.coli K12におけるterminator配列の探索

横瀬拓也, 山内直揮, 高橋紘一

p. P9
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P9.0

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オペロンの下流に存在するターミネータ領域の探索を行った。RNAの構造解析に使用されるドットマトリックス法において、自由エネルギーを評価値として用いることで、ターミネータ領域探索法を構築した。E.coli K12の各遺伝子領域の下流60塩基配列のターミネータ解析を行ったところ、スコアの高いものと低いものがみつかった。前者はρ-非依存性、後者はρ-依存性ターミネータに相当するものと思われる。

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糖鎖合成設計支援システムの開発

西村拓朗, 山田一作, 水野真盛, 白井孝, 船津公人

p. P10
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P10.0

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糖鎖特有の問題を反映させた反応データベースの構築により、糖鎖合成における知識を集約し、糖鎖合成の設計指針を補助・支援するための糖鎖合成設計支援システム（Glyco NAVI）の実現を目的とする。プラットフォームとなる化学構造式の入力ツールや化学反応情報管理システムを開発し、また、糖鎖を単糖の組み合わせとして認識させた糖鎖化合物データベースにおいて、糖鎖の構成要素である単糖の略号と単糖間の結合様式からなる簡略化文字列表記を検索キーとした場合の部分構造検索の効果を検討した。

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直鎖分子の柔軟性についての理論化学的研究

安藤広司, 相田美砂子

p. P11
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P11.0

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分子の安定性や構造については一つの平衡構造に基づいて議論されることがよくある。しかし、平衡構造はポテンシャルエネルギー曲面の一つの井戸の底の局所構造でしかなく、一つの平衡構造を求めるだけでは分子の柔軟性を考慮にいれた議論は行う事ができない。本研究では、分子動力学法及び、統計熱力学の考え方を用いて分子の柔軟性を含めた分子の構造、安定性の議論を行う。

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テルピリジン誘導体の蛍光特性に関する理論解析

重光保博, 務台俊樹, 北条博彦, 荒木孝二

p. P12
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P12.0

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テルピリジン結晶の蛍光強度が、結晶内での分子構造変異によって大きく変化する興味深い特性が報告されている。本発表では、この分子構造変異と発光強度変化の関係を、量子化学計算を用いて解析した結果について報告する。

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OHラジカルに対する含ハロゲンシクロブタンの反応性とC-H結合エネルギーとの相関について

内丸忠文, 陳亮, 水門潤治, 徳橋和明, 関屋章

p. P13
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P13.0

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クロロフルオロカーボン（CFCs）の代替物として、ヒドロフルオロカーボン（HFCs）やヒドロクロロフルオロカーボン（HCFCｓ）が開発された。我々は、環境科学観点からより好ましい代替物の候補として、含ハロゲンシクロブタンについて検討を進めている。含ハロゲンシクロブタンの環境影響評価に際しては、OHラジカルに対する反応性を調べ、大気寿命および大気環境中における分解過程を明らかにする必要がある。そこで、含ハロゲンシクロブタンのハロゲン置換様式とOHラジカルに対する反応性の関係を調べた。その結果、含ハロゲンシクロブタンのOHラジカルに対する反応性は、C-H結合エネルギーの値に着目することによって、ほぼ的確に予測できることを見出したので、その詳細を報告する。

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ヘテロツリー表現に基づく分子の三次元構造類似性探索

田中裕貴, 加藤博明

p. P14
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P14.0

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化学物質の種々の性質はその化学構造と密接に関連していることがよく知られている。本研究では、分子におけるヘテロ原子の局所的な空間配置に注目し、ヘテロ原子間の三次元距離情報をもとに生成した最小全域木（ヘテロツリー）を定義した。CSDから抽出した一群の化合物データに対してヘテロツリーの生成を行い、その出現頻度を求めるとともに、特徴的なヘテロツリーパターンと活性との相関についても調査を試みている。

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CH3OCH3/H2O,CH3OCF3/H2O,CF3OCF3/H2Oの構造に関する量子化学的研究

関山秀雄, 油井香緒梨, 森田康夫, 中村友則

p. P15
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P15.0

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非経験的計算によりジメチルエーテルCH3OCH3やその誘導体CH3OCF3,CF3OCF3と水H2Oとのつくる２分子クラスターのポテンシャル曲面や安定構造について，非経験的計算（MP2/aug-cc-pVDZ, MP2/aug-cc-pVTZ)により調べた。CH3OCH3/H2OではH2OのOHがCH3OCH3のOの非共有電子対の方向を向いている安定構造が得られた。また，CH3OCF3/H2OではH2O分子がCH3OCF3のCOC面内にある２つの安定構造が，さらにCF3OCF3/H2OではCF3OCF3分子の非共有電子対の方向にH2O分子が位置する安定構造が得られた。発表当日は，詳細な分子間ポテンシャルについて議論する。

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ニューラルネットワークと分子センサーを用いるハイブリッド化学機器分析：Cl-、Br-、I-、CH3COO-、SO42-とCO32-

田浦俊明, 朝日さゆり

p. P16
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P16.0

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我々は、金属錯体をセンサー分子として得られたスペクトル情報をニューラルネットワークによって解析し、試料中に含まれる成分濃度を一度に決定する方法を開発してきた。既に、酒石酸のジアステレオ異性体混合物の同時定量分析に成功している。今回は、ハロゲン化物イオンを含む一価陰イオン混合物および二価オキシ酸陰イオン混合物の同時定量分析を試みた。

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フラグメント分子軌道法によるヒトプロテアーゼとHIV-1プロテアーゼ阻害薬との複合体に関する計算化学シミュレーション

服部洋介, 直島好伸

p. P17
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P17.0

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エイズ治療薬の効果や副作用を計算化学的手法により解析するために、ペプチド系HIV-1プロテアーゼ阻害薬とヒトプロテアーゼとの複合体に対し、フラグメント分子軌道法による全電子量子化学計算を行った。レニン、ペプシン、カテプシンＥといったヒトプロテアーゼと治療薬リトナビルなどとの複合体の計算から求めた結合エネルギーや相互作用エネルギーについて、副作用との関連性を探り、考察する。

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サポートベクターマシンとアンサンブル学習及び決定木との組み合わせによる化学物質の発ガン性の予測

田辺和俊, 貝原巳樹雄, 鈴木孝弘, 小野寺夏生

p. P18
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P18.0

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環境中に存在する化学物質の内で発ガン性が判明しているものは僅少であり、動物愛護の観点から動物実験のスクリーニングとして、化学物質の発ガン性を構造から予測する手法が注目され、多くの研究が行われている。現在、構造の類似した同族体については発ガン強度を高い精度で予測できる場合もあるが、不特定の構造の化学物質の発ガン性を高精度で予測することは困難である。我々は前回の本討論会において、化学物質の発ガン性予測にサポートベクターマシン（SVM）が有効であることを実証した。本研究では、約1,000種類の多種多様な化学物質の発ガン性を構造情報のみから高い精度で予測できる方法を求めて、SVMをアンサンブル学習や決定木と組み合わせた種々の方法を検討した。その結果、その中では敗者復活を取り入れた決定木とSVMを組み合わせた方法が最も高い正解率を示すことが分かった。

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PCB塩素置換位置異性体の分配エンタルピー・エントロピー補償効果と分子表面積との相関

牧野正和

p. P19
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P19.0

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様々な温度でPCB塩素置換位置異性体の定温ガスクロマトグラフィーカラム保持時間を観測した。相対保持時間とカラム温度の逆数をプロットし、分配エンタルピーと分配エントロピーを算出した結果、両者に補償関係が成立していることが分かった。さらに、分子表面積と分配エンタルピーとの関係を調べたところ、プロキシミティブ位置にある塩素置換対数で分配エンタルピーはグループ化され、かつ各グループ内で分子表面積と線形関係が成立していることが分かった。

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ベンジル位アニオン系の気相安定性に及ぼす置換基効果

中田和秀, 藤尾瑞枝, 西本吉助, 都野雄甫

p. P20
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.P20.0

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ベンジル位カチオンの反応性に及ぼす置換基効果解析では置換基の電子効果を誘起効果と共鳴効果に分離して評価する湯川―都野式が精度よく適用される。その一方で、アニオン系では溶媒の効果が顕著に含まれるため解析は容易でない。我々はフェノールの酸性度に及ぼす置換基効果に共役塩基の環置換基への特異的水和が重要な役割を果たすことを明らかにした。今回は溶媒を含まない気相中での本質的な置換基の効果を明らかにするため、電子的に多様な環置換基を導入したベンジル位アニオンの気相安定性を分子軌道法を用いて決定した。種々のアニオン系の置換基効果を互いに比較して、陰イオンの安定性にどのような電子効果が重要かを検討した。

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事務局から

p. 1
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.1.0

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プログラム

p. 2
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/06

DOIhttps://doi.org/10.11545/ciqs.2008.0.2.0

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