エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集
第20回エレクトロニクス実装学会講演大会
選択された号の論文の138件中1~50を表示しています
  • 野田 敦人
    セッションID: 22A-02
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    MEMSの代表的なアプリケーション例としてマイクロコンタクタがある。ウエハプローバーなどに用いられるコンタクタは従来のプレス加工やエッチング加工では得られなかったような100μ以下のピッチ精度に対応できる必要がある。その精密微細加工に対応できる方法として、UVやX線の精密で高アスペクト比のマスクを形成する技術と電鋳(エレクトリカルフォーミング)による製造方法があることは良く知られている。この電鋳体の主材料として使われているのはニッケルであるが、コネクタなどではニッケルをバネの母材として採用してアプリケーションは過去にほとんど存在しない。それはニッケルが硬く塑性加工しにくい材料であるということに起因する。我々はニッケル電鋳リングコンタクタを開発検討した結果、電鋳体がこれまでコネクタ等に用いられてきた圧延材料であるベリリウム銅などを凌駕する高弾性の性能を有する可能性を明らかにした。
  • 横山 吉典, 福本 宏, 遠藤 加寿代, 武田 宗久
    セッションID: 22A-03
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    溶融はんだ吐出法は、ヘッドから微小はんだ滴を吐出させ、対向する基板上の所定の位置にはんだ滴を直接搭載することでバンプを形成する手法である。今回、CSPや狭ピッチBGAなどのバンプ形成への適用を目的として、ピッチ0.8mm程度の基板に適用可能な大径バンプ形成技術を開発した。筆者らは、これまで独自のダイヤフラム駆動型のヘッドを試作し、駆動波形とノズル径の調節により、はんだ吐出径を35~200μmの間で任意に設定可能な技術を開発してきた。従来、はんだ滴の大径化のためにはノズル径の拡大で対応していたが、ノズルが大径化すると開口部の液面拘束力が低下し、吐出状態が不安定化するという問題があった。今回、吐出挙動のシミュレーションと実験検証により最適な駆動波形を導き、ノズル径を拡大することなく従来最大比約2倍の吐出径450μmを実現した。本報ではシミュレーション検討と試作バンプの評価結果について報告する。
  • 井上 和博, 片岡 憲一, 伊藤 寿浩, 須賀 唯知
    セッションID: 22A-04
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    LSIやMEMSなどの特性をテストするために、プローブでウエハを数千回引っかく必要がある。そのためには、低接触力でテストを行い、できるだけ表面の変形を少なくすることが重要となる。 Alウエハに対しそれよりも硬いニッケルプローブを用いてフリッティングを行うと、プローブにウエハの削りかすが付着する。一定回数のフリッティング後、クリーニングをしないと電流が流れなくなり、製品として不十分である。そこで、Alよりも柔らかい材料であるはんだをプローブに付着させ、プローブの先端のはんだが削り取られるようにした。 実験により、数千回コンタクトをしても抵抗値が上がらないということが確認できた。一方で、電流・電圧・極性・荷重などの条件によってフリッティング状態がどのように変化するかといったことはまだ確認されていない。 そこで、電流・電圧・極性・荷重がフリッティングに与える影響に関して実験を行い、検討した。
  • 重藤 暁津, 伊藤 寿浩, 須賀 唯知
    セッションID: 22A-05
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    本報告では,超微細・薄型Cu電極の100万ピンレベル直接接合を実現した。このような接合の達成のためには熱膨張の不一致にによるアライメント精度の低下を防がなければならないため,加熱プロセスを必要としない表面活性化常温接合法(surface activated bonding, SAB)をCu超微細電極の接合に適用した。また,常温では十分な初期接触面積を確保するため,CMP (chemical mechanical polishing)プロセスで表面を平坦化したCu電極を用いた。電極寸法は10x30um (10um間隔)で,8・6インチウエハ上に約1250万ピン形成された。これらの試料は,まず薄膜試料を用いて接合条件を最適化したあと,真空雰囲気中でミクロン単位のアライメントが可能なSABウエハボンダを用いて接合された。その結果,ウエハ全域において,Cu超微細電極が空隙なく約2um以下のアライメント誤差で接合された。
  • 山内 朗, 加々見 丈二
    セッションID: 22A-06
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    MEMSの分野や半導体とMEMSの融合分野では、Siウエハー上に施されたデバイス部分を封止するために酸化ナトリウムを含んだガラスウエハーを高温で電圧を印加することで陽極接合しているが、400℃という高温が必要であるため、異種材料間でのそりや割れが発生し、また、影響のあるデバイスも多い。 また、新しい接合方法として酸素プラズマを主体としたプラズマによる表面活性化により低温もしくは常温で接合する方法が開発されてきているが、微小なゴミ、パーティクルによる影響が大きくボイドレスでの接合に課題が残る。 本稿では、プラズマ表面活性化接合と陽極接合を併用することで150℃に低温化できボイドレスで接合できる方法を開発した。デメリットをカバーし、メリットを兼ね備え、かつ、新たなメリットを生む方法としてハイブリッドボンディングを解説する。
  • 岡田 浩尚, 伊藤 寿浩, 須賀 唯知
    セッションID: 22A-07
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    本論文では、Ar高速原子ビームを用いた表面活性化法による常温接合をMEMSパッケージングにおける封止に応用するため、Au薄膜を封止構造として用い、その適用可能性を検討することを目的とする。従来の封止接合技術は高温加熱プロセスにより適用範囲が限定されるため低温で信頼性のある封止接合技術が求められている。これまでの研究でSi/Si, Si/CMP-Cu常温真空封止接合が可能であることがわかっているが、これらの接合は高真空や、接合前の洗浄プロセスが必要であるためコストやスループットの点で問題がある。一方、Au薄膜は、これらの点では問題はない。しかしながら、一般的にスパッタされた金属薄膜は表面が粗く、接合時における表面の密着が難しいと考えられる。本報告では数十nm程度の薄い薄膜を封止構造として用い、膜厚、表面粗さ、荷重に対する接合強度の影響を調査する。
  • 石切山 公輔, 伊藤 寿浩, 須賀 唯知, 前田 龍太郎, 小林 健, 澤田 廉士
    セッションID: 22A-08
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    外部のアクチュエータによるレーザーディスプレイへの利用可能な小型ミラーの開発を行った。製法誤差に基づく個体差の低減と、ミラーの振動モードの独立性を考慮して、2軸トーションミラーの設計および製作を行った。製造工程を低減することをねらい、駆動はミラー構造に後付した圧電素子により励振駆動するものとした。また、駆動精度の向上を目的に、ミラーの振幅を一定にする機構として、駆動領域端にストッパーとなる構造を後から設置した。ミラーとストッパーのアセンブリは専用に製作した治具により行った。デバイスの大きさは受光部分が1mm×1mm、ハンドリング部分を含めた大きさは7mm×7mmである。製作したミラーの共振周波数の測定を行ったが高速軸7.5kHz、低速軸192Hzであった。またストッパーによる効果として、ストッパーとミラー間の距離で振幅の最大値を規定することができ、そのときの振動の位相を測定した。
  • 藤原 邦代, 浅野 豪文, 浮田 芳昭, 内海 裕一
    セッションID: 22A-09
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
     放射光によるディープX線リソグラフィーを用いて多機能流体フィルター(以下フィルター)を作製し、それを組み込んだ垂直単位操作型マイクロリアクターの評価を行った。フィルターは、マイクロバルブ、マイクロチャンネル、マイクロミキサーとして機能し、これを用いることにより各単位化学操作を垂直方向に展開する垂直単位操作型マイクロリアクターを作製した。これに酵素による基質分解反応を適用し、基質の分解速度をリアクター内でリアルタイムに検出することに成功した。その結果フィルターのミキシング作用による反応速度の向上を確認した。
  • 浮田 芳昭, 浅野 豪文, 藤原 邦代, 内海 裕一
    セッションID: 22A-10
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    新提案の多機能流体フィルター(以下フィルター)を用いたマイクロ流体垂直送液の報告をする。フィルターの設計には数値流体力学(以下CFD)を用いマイクロチャンネル、マイクロバルブ、マイクロミキサーとしての機能の確認及び設計を行った。CFDの結果に基づき放射光ディープX線リソグラフィーによりフィルターを作製し実験により機能特性評価を行った。その結果、流体をフィルター上に保持するバルブとしての機能、流体を送液するマイクロチャンネルとしての機能を確認し、垂直送液操作のデモンストレーションを行うことに成功した。
  • 蜂須賀 啓介, 岸 慶憲, 林 勇樹, 佐々木 健
    セッションID: 22A-11
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    人体内通信は,人体を通信媒体とみなしてウェアラブル機器間での情報伝送を行う技術であるが,詳細な信号伝送メカニズムはいまだ解明されていない.本研究では,ダイポールアンテナへの給電メカニズムを人体内通信に適用することにより,送受信機のあらゆる電極配置においてゲインの大小関係を説明可能な伝送モデルを提案した.人体に接触させる電極数を変えてゲインを測定し,送信機2電極,受信機1電極をそれぞれ人体に接触させると最も伝送効率が高くなることを示した.また,電極間距離,電極面積,電極位置,送受信電極の向きをさまざまに変えてゲインを測定し,電極間距離,電極面積,電極位置を変えてもゲイン変動が起きないことや,送受信電極を信号伝送経路に沿った方向に配置することがよいことを示した.
  • 山本 聡, 坪田 祥子, 宗形 亜美, 内木場 文男
    セッションID: 22A-12
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    現在小型ロボットの構造において、制御を行うための電子基板と運動を行う可動部は別々である。将来小型化を目指しミリメートルサイズのロボットを実現するためには、電子基板に可動部をダイレクトに実装することが望ましい。我々は形状記憶合金を原料とした人工筋肉ワイヤーを基板上に直接実装した昆虫型ロボットの試作を行い評価した。 人工筋肉ワイヤーは電流を流すと収縮し、電流を切ると元に戻る性質がある。これを利用し昆虫型ロボットの脚部に使用した。アルミナの細い絶縁菅に人工筋肉ワイヤーを通し、ワイヤーの端部は金属金具でかしめ、基板にこの金属金具をはんだで直接実装した。脚部を6本作製した。基板にはPICマイコンを搭載し、自律型の昆虫型ロボットを作製した。 その結果大きさ47mm、横32mm、高さ25mmのものができ、自律歩行させることが可能になった。
  • 本城 和彦, 石川 亮
    セッションID: 22B-01
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    実装上の課題抽出を超高周波工学の視点から行った。実装基板を伝搬する不要モードの抑制ならびに高精度設計のためには基板厚の管理が重要であること、能動素子の非線形性ならびにメモリ効果から生ずる3次相互変調歪みの抑制には信号周波数成分のインピーダンスだけでなく全帯域のインピーダンス管理と、高精度熱応答モデル構築ならびに電磁界・半導体統合設計手法開発が重要であること、実装用電子部品の評価には数学的中和、数学的整合の導入が有効であることなどを述べた。
  • 井上 博文, 大島 大輔, 古谷 充, 堺 淳, 石川 亮, 本城 和彦
    セッションID: 22B-02
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    LSIチップの高速性能を最大限に装置レベルで発揮させる高速高周波実装設計への要求が高まってきている.中でも入出力数の多いLSIでは,BGA(Ball Grid Array)実装が用いられ,限られた計算機資源で多ピン化とGHz領域の解析精度向上とを両立させることが求められている.今回,こうした要求を満たす設計方法として,実装構造全体の中で不連続部分を抽出し,この部分の前後につながる伝送路を含めてモデル化する最適要素抽出法(Optimized Segment Extraction Method)を提案する.
  • 古谷 充, 井上 博文
    セッションID: 22B-03
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    LSIの高密度化・大規模化に伴いBGAパッケージが注目されている。BGAパッケージ伝送路の高速・高周波特性の把握およびモデル生成において電磁界解析が有効である。現状パッケージ全体を解析するには多大な計算機資源と時間を要するため、一般的に有限な規模の物理モデルを切り出し解析する必要がある。本論文では、パッケージとボードとの接続構造を含んだ切り出し物理モデル規模と得られた高速・高周波特性との関係について議論する。
  • 高橋 一平, 中西 秀行, 田中 顕裕
    セッションID: 22B-04
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    プリント配線板における高速差動信号伝送の検討として、マイクロストリップ差動ペアラインのリファレンス面スリットが伝送特性と放射ノイズ特性に及ぼす影響を明らかにすることを目的として、差動インピーダンスが100Ωで、コモンモード・インピーダンスを25~40Ωに変化させたプリント配線板を作成し、これらのTDR、Sパラメーター、近傍磁界強度を測定して、差動2線のカップリング強度の効果や、シングルエンド伝送との比較を行った。
  • 山岸 圭太郎
    セッションID: 22B-05
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    シリアル信号の高速化により、伝送路損失の周波数依存性を補償するため、出力回路でのPre-Emphasis、伝送路中へのPassive-Equalizer回路挿入、入力回路直前へのActive-Equalizer回路挿入などの対策が採られてきたが、それぞれ問題点もあった。そこで昨年度、筆者らはこれらを解決するための手段のひとつとして、高インピーダンス配線の挿入によるEyeパターン改善手法を提案し、原理および効果について述べ、1mの基板配線に対して高いEyeパターン改善効果があることを示した。上記発表後、配線損失、レシーバ寄生容量、短い分岐など、様々な実装条件が本手法に与える影響について検証した。本稿はその結果を報告する。
  • 草野 善之, 山中 康弘, 木股 浩之, 島嵜 睦
    セッションID: 22B-06
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    近年、情報端末や通信機器、FA機器など電子機器は高機能化、高速化、低電圧化されてきた一方で、電磁雑音に対する耐性(イミュニティ)が劣化している。このような背景からイミュニティ試験が実施される。特にその中で、帯電人体からの静電気放電(ESD:Electrostatic Discharge)を模擬した試験は適合が困難であり、誤作動などによるトラブルが多い。これによる設計手戻りや対策作業から開発期間や費用が増大し問題となっている。そのため、設計上流でのESD対策検証が重要であり、ESD解析技術が必要となっている。 本稿では、ESD解析技術確立のために実施した評価基板を使用したESDノイズ測定および測定結果について報告する。
  • 田辺 英二
    セッションID: 22B-07
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
  • 秋山 豊, 伊藤 恒夫, 伊東 恭二, 大塚 寛治
    セッションID: 22B-08
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、0.18μmノードのCMOS差動インバータに入出力する配線を伝送線路構造とし、電源、グランドペア線路も低インピーダンスの伝送線路構造(バイパスキャパシタは皆無)とした設計の動作測定を行った。その結果6Gbpsの動作を確認した。高速性能が発現した理由は特に電源・グランドペアの伝送線路の効果が大きいことが判明した
  • 菊地 秀雄
    セッションID: 22B-09
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    ストリップ線路を有するプリント配線板について、ストリップ線路を伝達する電磁界が電源/グラウンド面の平行平板に生じる電磁界の共振により他のストリップ線路に誘導するカップリングノイズを、電磁界シミュレーションにより解析した。特性インピーダンスが50Ωのストリップ線路に発生するカップリングノイズを、電磁誘導による効果と静電誘導による効果を区別した等価回路モデルを求め把握した。カップリングノイズは、ストリップ線路の幅が広くなると増した。カップリングノイズは、プリント配線板の一部の領域を除いた大部分の領域で静電誘導効果が優勢であった。
  • 坪井 典丈, 久保田 英正, 浅井 秀樹
    セッションID: 22B-10
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では、大規模回路網の高速過渡解析のためにタイムステップ選択を用いたLIMを提案する。本手法は回路網に対して、各回路部分に合わせたタイムステップを使用する。このように各回路部分の素子値に適したタイムステップを選択することで、安定条件を満たしつつ、回路網全体で不必要な反復計算を削減し、効率の良い解析が可能となる。さらに、本稿では、線形、非線形素子が混在した回路をシミュレーションするために、本手法に準拠したCMOSインバータモデルについて述べる。この実装は陽的解法によるため、非線形素子に一般的に用いられるNewton-Rapson法のような反復なしに解析を行える。最終的に、線形素子、非線形素子を含む大規模回路網について本手法を用いてシミュレーションを行い、従来の手法と精度および解析時間を比較することにより本手法の有効性を示す。
  • 黒川 隆志
    セッションID: 22B-11
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    多層配線板の導体パターンおよびビアホール(層間配線)をそのまま三次元熱解析できる設計者向けのツールを作成した。有限要素解析ソフトANSYSのカスタマイズ機能と外部プログラムを利用して,解析モデル生成から結果保存まで自動化を実現している。最初に,表面に単体部品搭載した実験配線板を作成し,実測方法および解析精度の確認をした。次に,適用実施例として4層配線板の場合と,14層配線板の場合について,実測結果とシミュレーション結果を比較した。
  • 佐々木 伸一, 原 健太郎
    セッションID: 22B-12
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    平行する複数のペア線間における遠端クロストークの低減手法について提案する。シングル伝送の場合、イーブンモードの伝搬速度とオッドモードの伝搬速度の差を少なくすることにより、遠端クロストークを低減できる。その方法としては、信号線をフィルムで被ったり個別部品のコンデンサを付加することによって可能となる。ここでは、色々なペア線構造の場合について、最適なコンデンサの付加方法の提案する。
  • 内田 禎二
    セッションID: 22C-01
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
     現在、エレクトロニクス各分野で急速な構造変化が起きている。通信産業ではIP電話の急激な普及で、従来の固定電話事業収益が急減している。そして光ファイバー等のブロードバンドアクセス系が急増し、動画情報等の通信網を通じた配信事業が立ち上がりはじめ、放送と通信事業の融合が起こり始めた。さらに携帯電話網も無線LAN技術との組み合わせ利用による低価格化も進展している。また第3.5世代や4世代の携帯網も開発中だ。今後、固定網と移動網の融合が進展する。一方、デジタル情報家電とコンピュータとの境界も急速に薄れてきた。そして数百万行にもおよぶソフトが携帯電話や情報家電に組み込まれており、それらの信頼性の大半はハードに移ってきた。デバイス分野でも組み込みソフトが急増している。   そこで、エレクトロニクス産業各分野のマクロ動向を紹介しながらその一環として光技術の現状も紹介したい。
  • 宍倉 正人
    セッションID: 22C-02
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では、光回路実装技術委員会での調査研究活動である光回路実装ロードマップの状況について紹介する。国内外を問わず、光インターコネクションの実現に向けた研究開発が活発化し、さまざまな光回路実装技術の小型化、低コスト化技術が進み、その実現も現実味を帯びてきている。また、活躍できる場が民生機器まで広がっていくと思われる。光回路実装ロードマップWG では2006年1月に2005年度版ロードマップを発行し、光回路実装技術において日本がリーダとしての地位を獲得するのに参考になれば幸いである。
  • 鈴木 敦, 若園 芳嗣, 鈴木 健司, 菊地 克弥, 仲川 博, 鈴木 修司, 山口 隆行, 茨木 修, 青柳 昌弘
    セッションID: 22C-03
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    当グループではルータのバックプレーン伝送を光信号で代替するシステムの開発を行っており、本発表では以下の内容について報告する。・10Gbps/ch.光信号の送受信モジュールの設計と評価・光バックプレーンを通したボード間光伝送の評価結果開発した光送受信モジュールと光バックプレーンを使用し40分間にわたりビットエラー測定 (24兆ビット) を行った。この間にエラーは検出されず、良好にボード間光伝送が達成できた。光バックプレーンとして合計3Tbps (10Gbps×300チャンネル) のスループット能力を有することが確認できた。
  • 碓氷 光男, 石井 雄三, 田中 伸幸, 平田 泰興, 石沢 鈴子, 林 剛, 大木 茂久
    セッションID: 22C-04
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    マンション等の集合住宅や戸建住宅への適用を目指し、FTTHとの親和性の高い住宅内光配線システムの検討を進めている。具体的には、従来のUTP(Unshielded Twisted Pair)ケーブル等のメタルケーブルの代わりにシングルモード光ファイバ(SMF)を用いて住宅内の情報分電盤と各部屋に設置された情報コンセント間をスター状に接続する「住宅内SMF配線システム」を提案し、本配線システムで必須となる情報コンセント内に設置可能な小型光電変換モジュール「Wall-Plug光モジュール」の開発を進めている。本報告では、まずWall-Plug光モジュールの開発コンセプトを示し、次にコンセプトに基づき試作したWall-plug光モジュールの機能および実装構造について報告する。
  • 花島 宏, 小幡 雄介, 小澤 秀明, 浅野 努, 三上 修, 内田 禎二
    セッションID: 22C-05
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    近年、情報技術の発達による情報量の増大化により、光インターコネクション技術への関心が高まっている。そのなかで我々は光インターコネクション技術の1つとして、電気配線と光配線を組み合わせた光電気混載基板の提案を行い、その実現に必要な光デバイスである光ピンについて研究を行ってきた。今回は従来の石英光ファイバから作製される光ピンに代わり、フォトマスク転写法を用いた自己形成光導波路による光ピンについて、作製及びその光学特性の検討を行ったので報告する。
  • 神田 昌宏, 小幡 雄介, 久保 宏行, 三上 修
    セッションID: 22C-06
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    IT機器の伝送速度の高速化に伴い、電気配線ではインターコネクションのボトルネックとなっている。その問題解決のために、光インターコネクションの導入が検討されている。我々は、マスク転写法にて光デバイス上に直接作製した光接続ロッドを用いた新しい光接続を提案している。また、昨今の環境意識の高まりにより、SMD部品をリフローはんだ付けする際、鉛フリーはんだの使用を求められる。そのためリフローピーク温度は250℃以上にもなり、我々が提案している光接続ロッドについても、鉛フリー対応の耐熱性が要求される。本研究では、我々が提案している光接続ロッドに対し、リフロー耐熱試験と環境試験の1つである温度サイクル試験を行った。
  • 久保 宏行, 神田 昌宏, 花島 宏, 小幡 雄介, 三上 修, 内田 禎二
    セッションID: 22C-07
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
     データ通信需要の増化により、「光インタコネクション技術」が注目されている。しかし、光インタコネクションに対する要求として、光デバイス、光配線間の簡易な接続法が求められる。 その実現のために、我々はフォトマスク転写法を用いた面発光レーザーの開口部への直接自己形成光導波路作製を提案し、実際に作製を行い、その光学特性を検討したので報告する。
  • 笠原 章宏, 小田 久哉, 角田 敦, 石田 宏司
    セッションID: 22C-08
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    シリコン基板上にフッ素化ポリイミドをスピンコートにより積層してスラブ型光導波路を作製し、次いでダイシングによって切れ込みを入れた後にクラッド材を埋め込み、単層あるいは2層の光導波路を作製した。また、この方法で作製した光導波路を基板ごと温水に浸すことにより、劣化させることなく基板から剥離することができた。得られた光導波路フィルムは、1.3μmの波長で0.7dB/cm、1.5μmの波長で0.9dB/cmと実用可能なレベルの結果を示した。よって、本実験では、高耐熱で低損失な光導波路フィルムをスピンコートとダイシングのみで簡単に作製可能であることが確認された。さらに、この光導波路フィルム作製プロセスを応用して作製した2層光導波路でも、光学特性に劣化がないことを確認し、容易に積層構造を作製できることを確認した。
  • 松岡 康信, 宍倉 正人, 柴田 智章
    セッションID: 22C-09
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
     近年情報処理装置の高度化が進展し、LSI間やボード間を結ぶ電気配線がその性能向上のボトルネックとなっており、光配線がこの問題を抜本的に解決し得る技術として注目されている。大容量の光インターコネクション回路を実現するためには、光配線の高密度化や低損失な光接続、作製方法が容易な基板実装技術が必要となる。有機光導波路は、光配線材料としてプリント板製造方法との親和性に優れ、これをフィルム積層法により作製する技術が開発されている。光配線の高密度化やレイアウトの自由度を増すためには、光導波路をプリント基板に多層積層することが有望である。本報告では光配線多層化の際に問題となる、光素子ー光導波路間のビーム拡がりによる結合損失を抑制可能な新規光閉じ込めコア構造を提案する。また、同構造を適用した2層光導波路をフィルム積層法及びリソグラフィによって作製し、光閉じ込め効果による本構造の有効性を確認した。
  • 山口 智史, 裏 升吾, 金高 健二
    セッションID: 22C-10
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    ボード内チップ間を超広帯域で接続する波長多重光配線を検討している。これまで薄膜光導波路配線ボードにグレーティングカップラを集積し、VCSELからのもしくはPDへの空間光を結合する構成であった。今回、チャネル光導波路に45°ミラーを集積した波長多重光配線を提案する。配線密度及び許容波長誤差の向上が期待できる。光導波路にはSiO2系を用い、波長合分波領域では伝送用チャネル導波路に分布ブラッグ反射器(DBR)を集積し、その上に入出力用チャネル導波路を形成する。入出力領域では両チャネル導波路を分離する。両領域は縦型Y分岐で接続する。動作波長帯850nmとしてY分岐導波路及びDBRの設計を行った。チャネル導波路幅は4μm、伝送用チャネル導波路厚は0.8μm、入出力用導波路厚は4μmと設定した場合、Y分岐の結合効率は96.9%、DBR(結合長0.3mm)は結合波長幅2nmで最大結合効率は97.3%と見積もった。
  • 広井 典良, 薗部 忠, 藤田 博之, 竹中 充, 中野 義昭
    セッションID: 22C-11
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
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    最近、光ICの研究開発報告が盛んである。この光ICを通常の光ファイバアレイと接続する場合、光ファイバアレイの導波路間隔は250μmのため、導波路面積が非常に大きくなり、コストが激増し、さらに導波路部の伝搬損失大きくなってしまう。この問題を解決するため、我々はOPLEAFを提案する。OPLEAFは通常のテープファイバを細径化し並べなおすことで、光ICのチップ面積を大幅に減少することが可能である。同時に光IC内部の導波損失を低減できる。今回試作したOPLEAFは、テープファイバをウェットエッチングで細径化した後、深掘りSi基板に挿入しUV硬化接着剤で固定した。また先端はSi製V溝で整列させた。この結果、30μmピッチのファイバアレイを作製できた。OPLEAFの伝搬損失を測定した結果、BPM計算による設計値に近い値が得られた。またOPLEAFによる高密度光ICパッケージを示すことができた。
  • 徳原 拓也, 小澤 秀明, 三村 祐介, 三上 修
    セッションID: 22C-12
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
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    短距離高速大容量伝送を実現する、光インタコネクション技術が注目を集めている。本学では、光インタコネクションを実現するために光ピンと呼ばれる90度光路変換デバイスを提案している。今回は更なる発展として、モールドと自己形成光導波路を用いた、光ピン簡易作製法を提案した。転写型に自己形成光導波路を衝突させることにより、自己形成光ピンを作製する。今回、自己形成光ピンの作製に成功し、90度光路変換機能を確認した。
  • 三村 祐介, 小澤 秀明, 徳原 拓也, 三上 修, 塩田 剛史
    セッションID: 22C-13
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    私たちは今まで、直線形状の自己形成光導波路を用いて、自己形成接続を行ってきた。しかし、正確な光軸調整が必要なため、手間と時間がかかり、光インターコネクションに採用する際には、コストに直結する。そこで、テーパ形状の自己形成光導波路を用いる事でトレランスが広がり、アライメント精度が緩和される事を確認してきた。そして今回は、45度光配線の上からグリーンレーザを照射する新しい作製法を開発し、テーパ型自己形成光導波路を用いて光配線とVCSEL間を高効率で接続することに成功したので報告する。
  • 金高 善史, 石塚 直美, 鈴木 俊哉, 玉林 慎一, 村上 朝夫
    セッションID: 23A-01
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    近年の鉛フリーはんだ化に伴い、プリント配線板の表面処理として無電解Ni/Auめっきの採用が増加しているが、鉛フリーはんだとの接合性については、まだ多くの課題があり、技術確立が求められている。本研究では、プリント基板の表面処理に置換金及び置換金+還元金の金めっき処理を施し、Sn3.0Ag0.5CuおよびSn3.5Agのはんだボールを実装したサンプルにて、シェアおよびプル強度試験を行った。その結果、Sn3.5Agサンプルでは、めっきの種類によって接合強度のワイブル分布および破壊モードに差異が見受けられた。また破断面SEM観察より、接合界面で花弁状の化合物の集合体が確認された。さらにこの近傍にてTEM分析を実施し、めっきの種類によって、化合物相の様相が異なることがわかった。本報告では、無電解Ni/Auめっき膜はんだ接合性について、以上より得られた結果を考察し、報告する。
  • 三上 道孝, 有川 孝俊
    セッションID: 23A-02
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    本報では、Au-Ag/Sn接合の信頼性調査を目的とし、ワイヤバンプ法により作製したAu-Agバンプと、一部で実用化されているSn-Ag系Pbフリーはんだとの接合部の高温放置試験結果(電気抵抗測定および断面観察)について報告する。
  • 金 永培, 雨海 正純
    セッションID: 23A-03
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    有限要素法を用いてマルチ列QFNパッケージの信頼性に及びすパラメタの検討が行われた。検討されたパラメタはパッケージパッとの大きさとPCBボードの厚さと信頼試験の温度サイクルの条件である。従来のQFNの温度サイクルの結果と有限要素方法から求まれたひずみエナジー密度の相関関係から新しいマルチ列QFNの寿命を予測した。予測された寿命と実際のマルチ列QFNパッケージの実験結果を比較し、解析の精度を確認した。
  • 永井 孝幸, 青木 雄一, 辻江 一作
    セッションID: 23A-04
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    近年の高密度実装技術のめざましい進歩により環境試験の試験条件は、気象環境よりも機器内環境の変化を考えて行われており、プリント基板実装部品のはんだ接合部の信頼性がより重要となっている。また、実装形態の多様化による故障メカニズムの複雑化も伴い、市場再現性の高い信頼性評価が議論されている。その中で温度サイクル試験については、温度変化幅と温度保持時間について数多くの報告がなされているが、温度変化率についてはあまり報告がない。そこで本研究では、プリント基板実装部品のはんだ接合部を評価対象として温度サイクル試験を行い、温度変化率とはんだ接合部寿命、故障モードの確認を行ったので報告する。
  • 于 強, 澁谷 忠弘, 陳 在哲, 近藤 悟史, 白鳥 正樹
    セッションID: 23A-05
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    近年、技術の発達により、電子デバイス部品の小型化、高集積化が進んでいる。それに伴って、部品と基板とを繋いでいるはんだ接合部が微細化したことにより、この部分の熱疲労破壊が重要な問題となった。しかし、このはんだ接合部の熱疲労寿命を改善するため、設計因子の変更を効率良く行うことは非常に困難である。そこで、各設計因子と熱疲労寿命の関係の評価手法が求められている。本研究では、BGAパッケージを対象とし、実験計画法を用いたFEM解析を行うことで各設計因子の熱疲労寿命に対する影響度を明らかにした。また、複雑な構造を持つ部品においては、設計因子同士の交互作用が問題となることが明らかとなったため、クラスター分析手法を用いることによりその交互作用が明らかとなるように整理した。これによって、熱疲労寿命改善のための設計改善手法を提案した。
  • 上野 一也, 平野 俊介, 松永 聖剛
    セッションID: 23A-06
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
     超薄型パッケージの接合性評価に超音波を利用する場合,一般的に実施されている接合界面にフォーカスを合わせる測定法では,試料表面からの反射波と接合界面からの反射がオシロスコープ上で重畳して,測定が困難である. そこで,本研究では厚さ50μmと400μmのSiを接合させたChip on Chip パッケージを対象に,接合界面と試料表面との多重反射波を利用して,二つの波を時間的に分離し,界面からの情報のみを抽出する測定法について検討を行った.また,超音波測定後に実施した断面観察を行い,本法の有効性を確認した.
  • 佐藤 祐規, 三浦 英生
    セッションID: 23A-07
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    半導体デバイスの実装密度向上のため三次元実装構造の開発が活発化している。しかし,このような実装構造では薄型チップ積層等の要因から,バンプ接続部の信頼性低下が懸念される。チップ薄型化に伴い,各部材の線膨張係数差に起因した局所熱変形がチップ表面において数10 nm以上に達することを解析的及び実験的に解明し,表面変位計測のバンプ接続部非破壊評価への適用可能性については既に報告した。そこで,フリップチップ実装構造組立て工程における接続不良検出を目的として,バンプ欠落及びはく離が混入したサンプルを試作し,白色干渉顕微鏡により表面変位分布を計測することにより不良検出の実現性を検討した。その結果,バンプ欠落,はく離にそれぞれ対応した数10 nmから数100 nmの表面変位変化が現れることを実証し,実装工程中にチップ表面変位を計測することでバンプ接続不良の非破壊検査が可能であることを示した概要につき報告する。
  • 高木 寛二, 萬場 雄二
    セッションID: 23A-08
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    リフロー過程におけるはんだ付け状態を再現し、視覚的に確認できるリフローシミュレーターを用いて、Sn-3.0Ag-0.5Cuバンプ中ボイドの発生メカニズムを確認した。バンプ中ボイドの発生は、はんだ溶融時の凝縮力によりバンプ内にガスを巻き込み、はんだ溶融中の流動により排出されるが、一部ガスが残留するためであることがわかった。
  • 門田 朋子, 向井 稔, 高橋 浩之, 廣畑 賢治, 川上 崇
    セッションID: 23A-09
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    電子機器のはんだ接合部では熱疲労寿命予測が必要である.本研究では,FC-BGAパッケージを対象に,Sn-Ag-Cuはんだの非弾性構成式を用いたFEM解析を行った.Sn-Ag-CuはんだはSn-Pbはんだよりクリープ挙動が穏やかなため,温度保持時間の影響は比較的小さいが,Sn-Ag-Cuはんだでも保持時間中の弾性追従と応力緩和は急速に進行するため,統一型非弾性構成式の適用が必要であることを示した.
  • 釣谷 浩之, 佐山 利彦, 高柳 毅, 岡本 佳之, 上杉 健太朗, 森 孝男
    セッションID: 23A-10
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    SPring-8において、放射光光源を利用したX線マイクロCT装置(SP-μCT)の開発が進められ、1μm程度の空間分解能を達成している。本研究は、このSP-μCTを用いて、フリップチップはんだ接合構造体における熱サイクル負荷による微細組織の変化を、非破壊で観察、解析したものである。その結果、同一試料を時系列で観察し、PbおよびSn各相が成長する過程を、著者らが提案している相成長パラメータを用いて定量化することができた。さらに、相成長パラメータの1サイクルあたりの変化量に着目して、疲労き裂の発生寿命を評価することも試みた。研究成果は、電子基板におけるマイクロ接合部の寿命評価に、X線マイクロCTによる非破壊検査を利用できる可能性を示すものである。
  • 熊沢 鉄雄, 中山 昇, 坪根 健一郎, 伊東 伸孝, 安陪 光紀
    セッションID: 23A-11
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    Sn-Ag-Cuボール接合部の衝撃せん断試験を行い、変形にともなって発生する起電力を調べた。起電力ピーク値は衝撃速度に比例して増加した。起電力ピーク値は低速せん断変形では大きいが,衝撃では小さい。起電力ピーク値の大小は破面の様相に依存して変わることがわかった。これらの結果から,変形にともなう起電力を評価することで、接合部の強度、変形評価ができる可能性があることが分った。
  • 大越 孝志, 飯沼 裕和, 鯉渕 興二
    セッションID: 23A-12
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    BGA実装に用いるはんだボールに機械的に繰返しせん断変形を与えると応力ーひずみ曲線はヒステレシスループを描くが、繰返し数とともにクリープ/疲労損傷が進行してその応力値が低下する、電子基板にBGA実装した電子デバイスは熱膨張率の相違によって温度により湾曲などの変形を示すが、その変形もはんだの損傷の進行に伴って変化するはずである。本研究ではレーザスペックル干渉法を用いて温度サイクルによる変形の推移を詳細に追跡し、その結果に基づき有限要素法によって個々のはんだボールを加わる変形と荷重の変化を予測する方法を試みたものである。
  • 青木 雄一, 辻江 一作, 中川 泰利, 永井 孝幸
    セッションID: 23A-13
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    はんだクラックの評価方法として,断面解析の軽減,故障判定までの時間短縮を目的として,チップ抵抗のはんだ接合部を対象に,温度サイクル試験125℃←-40℃を実施し,試験中,はんだ接合部を含むチップ抵抗の微小抵抗変化を連続計測により測定した.また250,500,1000,3000サイクル毎に試料を抜き取り,せん断強度試験による残存強度の測定と断面観察によるクラック進展レベルを確認した。その結果,抵抗変化率が10%増加した時点の残存強度は,ほとんどの試料が初期値の50%以下となっていた。特に鉛フリーはんだでは50%以下になる可能性がより高いことがわかった。これにより,抵抗変化率10%を評価基準とすることで寿命の有意差を見いだす事が確認できた.
  • 田中 秀郷, 福永 香, 前野 恭, 岡本 健次, 大木 義路
    セッションID: 23A-14
    発行日: 2006年
    公開日: 2008/01/11
    会議録・要旨集 フリー
    現在、研究・開発の進んでいるビルトアップ基板や部品内蔵基板では、基板表面方向のみでなく、基板厚さ方向の絶縁性能も重要となってくる。今回、プリント回路基板用絶縁材料として汎用されているガラス繊維/エポキシ樹脂複合板の三次元空間電荷分布を三次元PEA装置によって測定した。試料の空間電荷分布は、内部のガラス繊維密度に依存して測定箇所により異なる値を示した。さらに、試料内部に規則的な正電荷が観測された面と負電荷が観測された面が存在した。この正負電荷が規則的に観測される場所の分布は、ガラス繊維が交差する点の分布と一致する。ガラス繊維とエポキシ樹脂とでは、(誘電率/導電率)比が異なるために、両者の界面に正負電荷が蓄積されると考えられる。ビルトアップ基板や部品内蔵基板の設計や劣化現象解析にとり、三次元空間電荷分布の情報は必須であり、三次元PEA装置は今後重要になると思われる。
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