1999年から2002年の繁殖期に, 分断化された森林でアカゲラ
Dendrocopos major の繁殖生態を調査した. 帯広市南部の農耕地域に, 連続した森林から約5km孤立している面積約40km
2の調査地 (42°46'N, 143°05'E) を設定した. 営巣数は年ごとに30巣, 12巣, 26巣, 17巣であった. 1999年から2000年に18巣, 8巣. 9巣で繁殖成功を確認し, 2巣, 3巣, 2巣は繁殖に失敗した. 雄26羽, 雌25羽の標識した個体の半分以上が消失した. 生残率は雌雄とも, 年によって約30%または約60%だった. 2年間連続して繁殖した個体の巣間距離は最大1,170mであり, 1年おいて繁殖した個体の最大巣間距離は4,720mだった. 森林の分断化された生息地も, 個体の移出入と雛生産を介して個体群の維持に貢献している可能性がある.
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