日本神経回路学会誌
Online ISSN : 1883-0455
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15 巻, 2 号
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巻頭言
研究論文
解説
  • 坪 泰宏, 深井 朋樹
    2008 年 15 巻 2 号 p. 110-116
    発行日: 2008/06/05
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    神経細胞の電気活動を調べるためには,生体の神経細胞に対する受動的な観察に併せて,神経細胞への電気的入力に対する応答をみる能動的な観察が必要である.これまで能動的な観察の手法として,カレントクランプ法やボルテージクランプ法と呼ばれる手法が用いられてきたが,近年,第3の手法である「ダイナミッククランプ法」が提案され,市民権を得てきている.本稿では,前半でダイナミッククランプ法とは何か,この手法によって新たに何ができるようになったかを中心に説明し,後半で筆者らの研究に関係した具体的な2つの話題を中心に解説する.
  • 井上 剛, 井本 敬二
    2008 年 15 巻 2 号 p. 117-125
    発行日: 2008/06/05
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    局所神経回路(local circuit)における信号処理は,そのシナプス配線図(synaptic wiring diagram)に強く依存する.すなわち,その構造(シナプス配線図)と機能(信号処理)の関係を明らかにすることは,局所神経回路を理解する上で必須である.この問題にアプローチするため,現在我々は「ハイブリッド神経回路」の構築に取り組んでいる.このハイブリッド神経回路とは,脳スライス標本からの「多細胞パッチクランプ記録」に,ダイナミッククランプ法による「人工シナプス」を組み込む手法である.この手法を用いると,研究者が神経配線図を自由に操作することができるため,任意の神経配線図が持つ信号処理能力を調べることが可能となる.本稿では,ダイナミッククランプ法に関して概説した後,我々のハイブリッド神経回路に関して紹介する.
  • —「たくさんあること」がもたらすもの—
    田中 利幸
    2008 年 15 巻 2 号 p. 126-135
    発行日: 2008/06/05
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
    難しい組み合わせ最適化問題に対して,個々の問題の代わりにランダムな問題群を考え,問題の規模を十分大きくすることによって問題の詳細によらない巨視的な構造を捉えよう,という情報統計力学の方法論が注目を集めている.本稿では,kSATに対する近年の情報統計力学的アプローチの概要を解説するとともに,線形符号の復号の問題を一種の組み合わせ最適化問題として捉え,kSATとの対比に留意しつつ情報統計力学からのアプローチの一端を紹介する.
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会報
編集後記
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