本研究では,放射型CTにおける形態情報を利用したAnatomical-MAP画像再構成法の病変検出能を,コンピュータオブザーバと呼ばれる数値計算による観測者モデルを用いて評価する.病変検出のタスクに対する従来のAnatomical-MAP法の問題点は,形態情報として利用するCT/MR画像に写っていない病変のコントラストを保存したまま,滑らかな濃度変化をもつ背景の雑音を抑制する効果がないことである.これに対して,筆者らは放射能分布画像を滑らかな背景画像と疎なスポット画像の和として表現するSpotson-smoothモデルに基づくAnatomical-MAP再構成法(SOS-MAP)を提案し[8, 9],病変のコントラストを保存したまま背景の雑音を抑制することを可能にした.本論文では,これまで明らかでなかったSOS-MAP法の病変検出能をコンピュータオブザーバによって評価し,従来手法と比較して優れた病変検出能をもつことを示す.
抄録全体を表示