フィンランドを発祥とするMaaS(Mobility-as-a-Service)は,世界各地の交通業界に現在大きな影響を及ぼしている.利用者本位の運輸連合スキームを有しない日本に於いても,交通系IC カードの相互利用可能化や公共交通基本データのオープン化の動きが付けられてきた.本論文は,約10 年に至る柏ITS 推進協議会の活動を総括し,「日本版MaaS」につながる千葉県柏市における今後の展望を述べた.なお本論文は,WCTR Society SIG G2 Vienna2018 講演発表アブストラクトの抄訳である.
本稿では,unidirectional network1),2) を対象に,動的配分理論に基づくMacroscopic Fundamental Diagram(ネットワークの車両存在台数とスループットとの関数関係)の解析法を解説する.この方法論では,まず,渋滞パターンを与件とした動的利用者均衡配分問題に対する逆問題を定式化する.逆問題は線形方程式系で記述されており,ネットワークの巨視的な性能を表すスループットと,より微視的な状態変数である渋滞パターンとを解析的に関係づけることができる.