日本原子力学会 年会・大会予稿集
2010年春の年会
セッションID: I45
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収着・コロイド
過飽和ケイ酸の固相表面への析出挙動に及ぼす1mM以下のCaイオンの役割に関する考察
*田村 直之新堀 雄一飯島 和毅三村 均
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抄録

地層処分場の建設に必要なセメント系材料に起因する過飽和のケイ酸の生成およびその析出挙動は、固相表面の変質を知る上で重要である。従来の研究では5mM以下の比較的低いケイ酸の過飽和濃度においても1 mMのCaイオンの存在によりコロイド状ケイ酸および固相へのCSHゲルの析出を確認している。また、10 mM以上のCaイオンが存在する場合、過飽和ケイ酸はCaイオンを伴う架橋構造により直ちに析出することが分かっている。 本研究では1 mM以下の比較的低い濃度のCaイオンと共存するコロイド状ケイ酸の粒径分布とゼータ電位を測定した。その結果、コロイド状ケイ酸の粒径が時間経過によって2nm程度から64nm程度に大きくなり、また同時にゼータ電位の絶対値が小さくなることが分かった。これは、Caイオンが、CSHゲルを固相表面に生成させるのみならず、コロイド状ケイ酸の成長にも関与することを示唆する。

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© 2010 一般社団法人 日本原子力学会
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