目的:本研究では、長期入院中の統合失調症患者の身体機能を同年代との比較すること、入院期間と身体機能の関係について当院の現状を明らかにすることを目的とした。対象は、ADL・独歩移動が自立している入院5年以上の統合失調症患者25名とした。身体機能は、握力、Time Up and Go Test(以下、TUG)、30秒椅子立ち上がりテスト(以下、CS-30)を測定した。結果:各測定値のいずれも全対象が同年代平均値を下回っていた。年齢との関係は、握力、CS-30は相関関係がみられず、TUGは年齢と弱い相関がみられた。入院期間との関係は、握力、TUG、CS-30のいずれも有意差がみられなかった。考察:結果より入院の長期化と身体機能との関係を証明するには至らなかったが、加齢による更なる身体機能の低下に対して理学療法の介入が必要であると考えられた。