分析化学
Print ISSN : 0525-1931
総合論文
電気化学検出HPLCを活用する血中の薬物動態分析
小谷 明楠 文代袴田 秀樹
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 64 巻 11 号 p. 821-833

詳細
抄録

血中薬物の動態分析に適用できる高感度な分離定量法として,アンペロメトリック様式を活用した電気化学検出高速液体クロマトグラフィー(HPLC-ECD)を開発した.炭素電極を用いた電気化学検出キャピラリー液体クロマトグラフィー(CLC-ECD)によりamolレベルのフラボノイド類を,ホウ素ドープダイヤモンド(BDD)電極を用いたCLC-ECDによりfmolレベルのポリメトキシフラボン類を定量できた.酸に特異的な検出にキノンを利用してバルプロ酸及び遊離脂肪酸(FFA)のHPLC-ECDを,また塩基に特異的な検出にトロロックスを利用してテオフィリンのHPLC-ECDをそれぞれ開発した.各HPLC-ECDは,感度と特異性に優れる上に,微少量(10 μL程度)の血漿しょう試料で分析可能であった.血中薬物の動態分析へ応用し,時間─濃度プロファイルの取得や薬物動態パラメーターの算出に適用できることを示した.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry 2015
前の記事 次の記事
feedback
Top