セメント・コンクリート論文集
Online ISSN : 2187-3313
Print ISSN : 0916-3182
ISSN-L : 0916-3182
コンクリートの物性
高温加熱を受けたコンクリートの再養生による性能変化と回復に関する研究─鉄筋との付着強度について
李 柱国流田 靖博
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 69 巻 1 号 p. 371-378

詳細
抄録

本研究では普通(Ns)、高強度(Hs)、繊維高強度コンクリート(Hsf)の加熱後の再養生による付着強度の変化を考察し、加熱前の強度レベル、加熱温度、冷却方法、再養生方法および再養生期間の影響について検討を行った。得られた結果として、1)1ヶ月の水中養生+空気中養生を行った供試体の付着強度の残存率は、養生材齢が長いほどまたは加熱前の強度は小さいほど大きい。HsはNsより再養生による残存付着強度の回復は多い。500℃以下であれば、受熱温度が高いほど再養生による回復が多い。2)表面湿潤養生の場合、空気中冷却であれば、300℃と400℃で加熱されたコンクリートは再養生に付着強度の回復を示さない。500℃加熱・空気中冷却と300~500℃加熱・水冷却の場合、再養生によって残存付着強度は増加し、3ヶ月材齢の増加量の大小順はHsf→Hs→Nsである。3)表面湿潤再養生に比べ、水中再養生の方が回復率は高い。

著者関連情報
© 一般社団法人セメント協会
前の記事 次の記事
feedback
Top