臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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症例報告
心筋へのMIBG集積低下をみとめ,交感神経節に限局するLewy小体を合併した大脳皮質基底核変性症の1剖検例
森 恵子岩崎 靖伊藤 益美三室 マヤ吉田 眞理
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 52 巻 6 号 p. 405-410

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抄録

症例は死亡時86歳の男性である.進行性の歩行障害,筋強剛,認知症を呈した.静止時振戦,L-dopaの反応性,自律神経障害はなかったが,MIBG心筋シンチグラフィーの集積低下をみとめ,Lewy小体型認知症と臨床診断された.死亡後の病理診断は大脳皮質基底核変性症であった.全身病理では心臓交感神経終末が高度に脱落しており,MIBGの集積低下を反映していた.さらに中枢神経,消化管,副腎等にはみられなかったLewy小体が交感神経節に限局してみとめられた.MIBGの集積低下はLewy小体の存在を示唆するが,その広がりまでは予見できず,また偶発的にLewy小体が合併する事を臨床診断の際には考慮する必要がある.

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© 2012 日本神経学会
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