2016 年 27 巻 p. 13-23
天然骨材の枯渇や品質の低下にともない,砕石砕砂を骨材として用いたコンクリートの使用が増加しており,各種重要構造物に採用されてきている。本報告では,砕石砕砂を用いたコンクリートの問題点である材料分離(ブリーディング等)や施工性の改善を目的として,製造段階における品質向上の観点から,コンクリート製造時にセメントペーストを改質し,骨材表面を造殻する分割練混ぜ(SEC1):Sand Enveloped with Cement)を適用した場合の効果について検討した。その結果,ブリーディングの低減効果が得られ,コンクリートの耐久性に大きく影響する圧縮強度,乾燥収縮量,透水性,透気性が大幅に改善され,構造体コンクリートの品質向上に有効であることが確認された。