2016 年 27 巻 p. 7-12
近年,開削工事を行った際の仮設資材を土中に残置するケースが増加している。そこで,撤去作業が不要な新しい仮設資材として,生分解性樹脂コンクリートの有用性を考えた。現在,生分解性樹脂には様々な種類が存在し,その劣化特性も多種多様である。そこで,著者らは,種類の異なる生分解性樹脂(PBSAとPLA)を用いて生分解性樹脂コンクリートを作製し,強度試験による劣化評価および画像処理による表面劣化評価を実施し,樹脂の違いによる生分解性樹脂コンクリートの劣化特性を明らかにした。その結果,表面劣化はPBSA供試体のほうが顕著であることが明らかとなった。一方,初期強度はPLA供試体のほうが大きく,強度保持期間も長いことが明らかとなった。