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特集 “がんの分子標的治療” 編集 : 山口俊晴
膀胱がんに対する新しい治療
―Small interfering RNAを用いた膀胱内注入療法を目指して―
湯浅 健土谷 順彦
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2006 年 21 巻 1 号 p. 46-51

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抄録

膀胱がんは膀胱という閉鎖腔において発生し進行していくがんであり, 経尿道的に体外から比較的容易に到達可能である. 現在, 表在がんの治療としては経尿道的切除後にBCGや抗がん剤の注入療法が行われており, 治療のストラテジー上特殊ながんといえる. すなわち“局所へ高濃度の薬剤を貯留させることにより, 一定時間がん細胞と接触させる”ことが可能であり, 治療後の薬剤の回収もきわめて容易である. 世界中でさまざまな新規の抗がん剤や, ウイルスベクターを用いた遺伝子治療の前臨床試験や臨床試験が行われている.
本稿では, 表在性膀胱がんに対する膀胱内注入療法として注目される最近の知見に加えて, 筆者らが目指している核酸医薬を用いた膀胱がんに対する新しい治療法の開発の一端を紹介したい.

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© 2006 日本DDS学会
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