栄養学雑誌
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嗜好の行動科学的研究 (第6報)
児童の嗜好行動と関連因子の類型化の試み
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1986 年 44 巻 6 号 p. 317-336

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抄録

食物に対する嗜好によって支配される行動を研究するため, 児童3,016名を対象に, 卵料理の摂取について, 質問用紙に記入させる方法で調査を行い, 結果を統計的に解析した。
結果は以下のとおりである。
1) 卵料理を食べたいという欲求の強い者は, それを好む者が多かったが, 摂取頻度は必ずしも高くはなかった。
卵料理を食べたいという欲求が低い者には, それを好まない者が多く, 摂取頻度は低かった。
2) 男子は女子よりも卵料理を食べたいという欲求の強い者が多く, 摂取頻度も高かった。
幼児では児童よりも“生卵”を食べたいという欲求の強い者が多く, 摂取頻度も高かった。
健康で丈夫な者, 食欲が旺盛な者, 肥満している者, よく動く者, 自主性の高い者には, 卵料理を食べたいという欲求の高い者, 卵料理が好きな者が多かった。
3) 卵料理を食べたいという欲求が強いかどうかは, 居住地域, 家族構成, 兄弟のうちの何番目か, 母親が働いているか否かに関係はなかった。
4) 卵料理が好きか嫌いかは, 幼児では感覚に関連する理由, 児童では意識的な判断に基づく理由による者が多かった。“卵料理が好きである”理由としては, その有用性に関連したもの,“嫌いである”理由としては, それに対する感情に関連したものが多かった。
卵料理を習慣的に摂取するか否かは, 家族がそれを作ってくれるか否かによって支配されていた。
卵料理を食べたいという欲求の強いことおよび卵料理が好きであることは, 食欲があり, 食事の時にはすすんで食卓につく, 嫌いなものでも食べる等の行動や細かいことを気にしない性格, やりたいことは必ずやる性格と関連していた。

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