日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
胃GISTの診断と治療
筒井 秀作中島 清一山田 拓哉竹原 徹郎
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2011 年 53 巻 12 号 p. 3736-3748

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抄録

GISTの発生率は年間100万人あたり10~20人と推計され,胃に発生するGISTはその60-70% を占めるとされている.GISTは組織診断がつけば手術を選択し,組織診断がつかないものは画像上のサイズ,増大傾向,悪性所見を参考に治療方針を選択する.GISTに対する外科治療の原則は偽皮膜を傷つけることなく安全なマージンを保って臓器機能を温存した切除を行うこととされ,系統的リンパ節郭清は不要とされている.KIT陽性の進行・再発GISTはイマチニブによる治療を行う.イマチニブの病勢コントロール率は85%,無増悪生存期間は約2年,生存期間中央値は約4.6年である.イマチニブ耐性GISTの治療は,イマチニブを継続し耐性病変の切除,イマチニブの増量,スニチニブの投与のいずれかである.c-kitPDGFRA遺伝子に関する研究が進みイマチニブやスニチニブの効果予測や薬剤選択に対して変異遺伝子の検索が有用となっている.

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© 2011 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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