主催: 日本地球化学会年会要旨集
本発表では、岐阜県美濃赤坂石灰岩地帯の土壌における生物地球化学的サイクルの特徴について報告する。まず日本全国の土壌と比較を行いながら金生山の土壌特性と化学組成の特徴を述べる。その後、難移動元素濃度による規格値を用いて土壌の深さ方向に示す特徴やリターの寄与について評価を行う。これらの結果に基づいて、金生山の土壌が植生の生育に良好であること、土壌中のCaは主にリタ―から供給され、Si、Mg、Pはリタ―と無機成分の両方から供給されることを示す。また、Caの大部分は植物から供給され、その多くが植物に吸収されるという一連のサイクルを繰り返しながら土壌‐植生系の中で保たれているとする推測についても報告する。