主催: 日本地球化学会年会要旨集
水田土壌では、微視的には酸化的環境と還元的環境が混在している。酸化・還元領域の局所分布が、AsやCdの溶解性の決め手となる化学形態にどのように影響しているかについては不明な点が多い。還元領域では、鉄鉱物からFe(II)イオンが溶出するが、酸化的領域でFe(III)水酸化物として再沈殿する。Fe(III)水酸化物が再沈殿した領域は、赤く着色するため、局所的な酸化的領域は、周辺領域との色の違いから判別可能である。水田土壌、特にイネの根の周辺において酸化・還元的領域の分布をFe(III)水酸化物の着色から判別するとともに、As・Cdの集積部位と集積部位における化学形態を明らかにすることを目的とした研究を紹介する。