主催: 日本地球化学会年会要旨集
地球温暖化の主要因である大気への人為的CO2排出量削減技術の一つとして、メタン生成菌が行うCO2のメタン変換を促進し、CO2を再資源化しようとの試みが為されている。本研究では、鉄腐食に伴う水素生成でメタン生成菌がどの程度活性化するかを実験的に検証した。実験では、嫌気環境下でシリカビーズと鉄粉末(4-5g)を熱収縮チューブに詰めた反応カラムにメタン生成菌を植菌し、リアクターに設置した後CO2と嫌気培地の混合流体を通過させた。カラムを通過した溶液は保圧状態で回収した後、溶存ガスの定量分析を行った。実験の結果、鉄添加カラムを通過した溶液に水素濃度及びメタン濃度の増加がみられ、メタン生成活性は0.2-3.7µmol/mL/dayであった。本研究成果は、CCS現場環境や類似の陸上CO2変換施設において、CO2還元型のメタン生成活性を促進させる手法の一つと考えられる。