主催: 日本地球化学会年会要旨集
講演者らは,インド洋の広域をカバーする合計1,663試料の深海堆積物の全岩化学分析を実施した.その結果,インド洋レアアース泥の全岩化学組成には生物起源リン酸カルシウムと海水起源マンガン酸化物の影響が強く反映されていることが明らかとなった.これは,インド洋におけるレアアース泥の生成を支配する重要な因子が「堆積速度の遅さ」であることを示唆している.このことを踏まえると,インド洋でレアアース泥が海底面付近に存在する可能性が高い海域として,(I) 東部インド洋Wharton海盆南~南東部,及び (II) 中央インド洋海盆南部の2つが挙げられる.