日本地球化学会年会要旨集
2015年度日本地球化学会第62回年会講演要旨集
セッションID: 1B04
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G1  大気微量成分の地球化学
さまざまな大気環境における塩素消失に関わる化学反応の推定
*坂田 昂平坂口 綾為則 雄祐高橋 嘉夫
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抄録

海塩粒子と微量気体との反応により生成するハロゲン化合物は様々な大気化学反応の引き金となるが、大気環境の違いによるハロゲン化合物の生成過程の違いに関しては不明瞭な部分がある。そこで、本研究では都市大気(東広島)、北太平洋、南半球の西部太平洋、南極海にて採取したエアロゾルの主要イオン濃度およびX線吸収微細構造(XAFS)法によるナトリウム(Na)化学種解析を行い、各地域における主要な塩素消失の反応の決定を試みた。


東広島では海塩粒子と硝酸もしくは五酸化二窒素との反応が卓越していたのに対して、人為起源の寄与が小さい南半球の試料に関してはヒドロキシルラジカル(OH・)やオゾン(O3)との反応が卓越していた。また、人為起源の影響を受ける北太平洋では硝酸や硫酸だけでなく、OH・やO3との反応も生じていた。このように、人為的活動の影響に違いが、海塩粒子と微量気体との反応過程に大きく影響を及ぼすことが示唆された。

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© 2015 日本地球化学会
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