1995 年 32 巻 3 号 p. 190-194
高齢者急性骨髄性白血病, 骨髄異形成症候群におけるAra-C皮下注療法 (Ara-C 10mg/m2/12hr s. c. 14~21日間), Ara-C持続点滴静注療法 (Ara-C 20mg/m2/day 24hr d. i. v. 14日間), SPAC内服療法 (SPAC 100~300mg/body/day p. o. 14日間) 時の血漿Ara-C濃度を追跡した. Ara-C皮下注療法時のAra-C最高血漿濃度 Cmax は, 103.2±60.4ng/ml (平均±SD, n=7), 最高血漿濃度到達時間Tmaxは, 14.6±2.2min, (平均±SD, n=7), 第1相半減期T1/2αは, 25.0±13.1min (平均±SD, n=7) であり, 皮下注を繰り返しても蓄積による血漿Ara-C濃度の増加は認められなかった. SPAC経口療法時の血漿Ara-C濃度は, SPAC内服3~5日目に3~8ng/mlまで上昇し, 投与期間中はその濃度が持続し, 最も長い症例では投与中止15日後まで血漿Ara-C濃度は0.32ng/ml以上を保っていた. Ara-C持続点滴静注療法時, 投与7~14日において, Ara-Cは4~7ng/mlの濃度で血漿中に検出された. 化学療法の種類を問わず, 全ての症例で加療後に骨髄抑制が認められたが, Ara-C皮下注療法とSPAC経口療法の間で, 血算最低値に有意差は認められなかった.