公共機関の保有データに関するデータのオープン化は世界的な潮流であり,我が国においてもdata.go.jpやRESASなど,オープンデータに関する取り組みを進めている.しかしながら,国家行政データの分析・利活用例,特に自然言語で書かれた非定型な行政文書についてのデータ分析・利活用例は多くなく,データの有する可能性が十分に示されていない.そこで,本論文ではデータ利活用の促進を目的として,非定型な国家行政データの分析例を示した.具体的には文部科学省の科学技術白書を対象として,白書で取り扱われている話題(トピック)を自動で分類するとともに,その変遷を検出・可視化した.分析結果からは,政権交代に伴って白書の内容が大きく変化した様や,予算,人材,研究領域などの話題の変遷が,人間に理解できる形で検出できた.これにより国家行政データに対する分析の有用性とデータ価値との一端をそれぞれ示した.