日本画像学会誌
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論文
デジタルカメラ画像から推定の植生指標分布図の改善
尾崎 敬二
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2016 年 55 巻 2 号 p. 135-142

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抄録

デジタルカメラは近接リモートセンシングにおける不可欠なデバイスであり,分光放射計の狭い対象範囲の計測より広範囲な対象を,一度に画像として取得できる優位性を有する.商用デジタルカメラの自動露光機能を生かして取得の画像から植生指標を推定し植生指標分布図を作成するとき,可視光画像の影領域に対応する領域で,植生指標値が異常に高い領域の出現が見られる.この異常高領域の除去のために,カメラ画像の最低輝度閾値を定め,これ以下の輝度を持つ画素を植生指標の推定過程から排除する方法を適用し,非常に効果的であった.画素除去の基準とする最低輝度閾値はカメラ出力画像のガンマ値に依存することを示した.カメラ出力画像のガンマ値は,出力ディスプレイのガンマ値に合わせて2.2が一般的だが,グレーパッチと分光放射計測定値を用いると,使用デジタルカメラのガンマ値は,およそ1.8から1.9であった.デジタルカメラ画像から植生指標を推定する場合には,影領域を生じない画像の取得と,ガンマ値を2.2より低い1.8~1.9とすることを提案した.

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© 2016 一般社団法人 日本画像学会
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