2011 年 87 巻 4 号 p. 121-135
本研究では長距離トラックドライバーの疲労とその関連要因を検討した。分析の結果,長時間運転,睡眠不足,休日不足,運転中の休憩・仮眠の不足,時間切迫,および荷扱いの負担と疲労の間に有意な関連を認めた。キャビンの睡眠環境や会社の設備・環境への不満,歩合給への不満と疲労の間に有意な関連を認めた。健康不安,食事習慣,運動不足と疲労の間に有意な関連を認めた。共分散構造分析の結果より,睡眠状況が疲労・健康状態に直接的に影響し,運転状況と組織要因である職場状況が睡眠状況を介して疲労・健康状態に影響することが示された。(図1,表12)