運転中の急激な体調変化によって運転操作に支障をきたし,結果的に事故につながることがある。運転中にひとたび体調変化が生じると,ほとんどの例で適切な回避行動がとられず,事故につながる。社会の安全や自身の健康を確保するためにも,運転中に軽微な体調不良を自覚した際には,積極的に自動車運転を中止する必要がある。薬剤を内服することで,原疾患のコントロールを良好に保つことは運転中の疾病発症を予防するうえで重要であるが,その際には運転に支障がない薬剤が選択されるべきである。各事業所で運転中の体調変化を予防する取り組み,あるいは体調変化が生じても事故に至らないようにする工夫が必要である。(図3)