日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
Teicoplaninの全身および局所投与の併用後の根治術により根治し得たメチシリン耐性黄色ブドウ球菌膿胸の1例
大瀬 尚子井上 匡美南 正人澤端 章好門田 嘉久奥村 明之進
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2012 年 26 巻 2 号 p. 153-156

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抄録

低栄養状態の腹膜透析患者に発症した心臓外科術後のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による無瘻性膿胸に対し,Teicoplanin(TEIC)による全身投与と局所洗浄の併用が奏効した症例を経験したので報告する.症例は59歳男性.慢性腎不全に対し腹膜透析を施行していた.冠動脈バイパス術後に縦隔炎を発症し大胸筋弁充填術を施行した.しかし,右無瘻性膿胸を発症し,胸腔鏡下膿胸腔掻爬ドレナージ術を施行した.一旦改善するも再燃し,MRSAに菌交代したため開窓術を施行したが膿胸腔の浄化は得られなかった.TEICの全身投与と胸腔内洗浄を開始したところ,1週間後には無菌化した.その後,筋弁充填と胸郭成形による膿胸根治術を施行し治癒せしめた.

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